ギターAE1200T146の音
YAMAHAが1977年に、200本の限定生産・販売した146本目のギター。
当時、発売されることを知らずに違うギターを買って間もなかった。
金はなかったが、なんとしても弾いてみたかったので、東京の楽器屋に問い合わせた時には既に完売していて、泣く泣く諦めたという、切ない初恋の味カルピスのようなギターなのだ。
それから46年が経過した今、私の手元にそのギターがある。
偶然か、必然か、どういう巡り合わせでここまでたどり着いたのか、という話は長くなるので、いつか物語としてまとめてみたい。いつかな?
やわらかな音に酔いしれる
期待に胸膨らませ、親指で軽く弾いてみると、トロトロととけそうな音が、こぼれてくる。ブラックエボニーの指板は指に吸い付くようだ。
あこがれが強かった分、音も良く聴こえてしまう。
古い楽器のすべて良い音がする、というわけでもない。
もとから良い音がするのだ。それが熟成されたのだ。
特に、アンプを通す電気増幅の必要なギターは、木材の熟成は当然だが、入り口のマイク(コイル/マグネット)の減衰などと溶け合って、古い音になるのかな。
それにしても、「惚れてしまえばあばたもえくぼ」のとおり、いい音だ。
某メーカーの二百万円のギターより良いんじゃないかい。デレデレだぞ。
オールドがすきですか
楽器は、とかくオールドが好まれる。
特に弦楽器は、バイオリンを頂点に異常に高価な値が付いている。
ギターはそれほどじゃないが、先日、福山雅治がマーチン社を訪れて、古いギターをリペアするというテレビ番組があり、録画してからみた。
聞けば、あのギター、うん千万円するらしいとか?
ジャズの世界ではメジャーの方々と、お話をさせていただいたことがある。
みなさんは、やっぱりオールドがいいんだって。
だから聴こえてくる音も、オールドなのだ。
安心して聴けるが、誰の音を聴いても、たいして変わらないのは耳の老化。
みなさんの音へのこだわりは、半端ないほどビシバシ・イシバシガッキ。
しかし、新しいギターを好みの音に育てようとか、ギタービルダーの援助になれば、などとは、ミジンコも考えていないのかもしれない。シュン。
アコースティックギターもいいね
和水真さんの、アコースティックギターを聴きながら書いている。
同じ曲を、たくさんの方々の演奏動画を見て・聴いて、自分に合う音を探したら、和水さんになった。
集中して聴いてもよし、ながらで流してもよし、弾いてみようと思えばTAB譜まで付いているという、サービス満点の、おもうまい食堂みたいな動画。
アコースティックギターは、電気で増幅しない、生音がすべての楽器。
フォークギターとか、フルアコなど、いずれも大きいギターが多い。
NHK朝ドラで、すず子さんの伴奏している楽団が時々映る。フルバンドだ。
その楽団で、つよぽんがタクトを振っている一番近いところにいて、ギターを弾いているのは、我らが「富永寛之」大先生である。ドラマのギター演奏者は役者さんです。
まさか富永先生がNHKの朝ドラに出演する日がくるなんて、感涙に咽び泣く日が続いているところに、12月11日の月曜日、NHKのEテレ、19:30からの番組「偉人の年収」に出演される、という嬉しい情報が飛び込んできた。
AE1200T146の音から外れた話になった。そろそろチューニングしないと。
ギターの話になると、年齢を忘れて、熱くなってしまう。アッチッチ!