♯21 金平キャスター
TBSの金平茂紀(しげのり)キャスターが番組を御卒業!
テレビの出演者が番組から降りる時は
降板と言うべきなのかクビなのか
その実情が良く分からないので
最近は卒業と言う言葉が良く使われます。
俳優の香川さんの場合これは多分
クビと言う事になるのでしょうが
金平さんの場合は加えて
ご勇退と言う事で良いのではないでしょうか。
金平さんと言えば報道特集と言う番組が一番に頭に浮かび
最後までこの番組でキャスターを務められました。
まあ保守系地下メディアからは常に批判にさらされ
基本はいわゆるレフトサイドのスタンスを堅持する姿勢です。
で殆どのニュースや情報バラエティ番組は
すぐにヒステリー状態に陥り
時に忖度、時に日和見、時に腰砕けが常識となる中
この番組は一貫してリベラルのスタンスを貫いて来ました。
そういう意味では好き嫌いは別にして
出色の番組だとも言えるでしょう。
そして元々TBSと言う会社は“報道のTBS”と言われ
金平さんはその時代の生き残りとも言える存在だと思います。
テレビ局に入って来る者は基本的に番組を作りたい人間が
希望をして入社して来るので人事をやりたいとか
経理業務をやりたいという人間は入って来ません。
その中で報道現場に配属された者はそれなりの使命感を背負い
公共のためにと連日取材をし番組を放送して行きます。
ところがある程度の年齢になりキャリアを積んでくると
管理職に進むかどうかの選択を迫られます。
即ち記者は取材活動をやらないし
アナウンサーは画面に出ないし
カメラマンは映像を撮る事が出来なくなって
デスクワークに専念する事になる。
仮に部長なんかになってしまうと
労務管理や不祥事が起こるたびに謝罪に行く担当なんかになり
入社当初の“何のためにテレビに入って来たのか”
その存在意義を見失ってしまいます。
金平さんとは東京勤務時代にマスコミ人の集まる会で
ちょいちょいお会いしその時は報道局長をされており
まさに報道局のトップとして現場に出られない時期でしたので
現場に出たくてうずうずしている印象を強く受けました。
その後アメリカに赴任され本来のジャーナリストの立場に戻り
帰国してからは報道特集のキャスターとして番組に復帰。
その論調はTBS伝統のスタンスに彩られていましたが
時に社の上層部と衝突するような話も聞こえて来ました。
逆に考えればここまで良く企業内ジャーナリストとして
続けて来られたなと不思議に思うくらいで
昔からTBSの優秀な人材はジャンルに限らず脱藩し
多くの人が在野のフィールドで活躍してきたものです。
金平さんはまだ時々報道特集に出演されるらしいですが
もうTBSと言う狭い世界から飛び出して
ジリ貧状態のオールドメディアに今一度喝を入れ
牽引して行って貰いたいと思っています。
さてTBSはこの後を誰が継いで行くのでしょう、、、、
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