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2021.1.29「母になった友人」

今日は高校からの友人にリンパマッサージ?痩身マッサージ?の実験台になって欲しいと頼まれたので向かう。
お店が二駅分の場所にあったので歩いて行こうと思ったが、午前中散歩に出た時に風が強すぎて髪がとっ散らかったのを思い出してやめた。
私の髪はきれいに風になびいてくれない。形状記憶タイプなのだ。
上に煽られた前髪はもう自力では戻ってこない。
そんな自分の髪質に怒りを覚え、あえて散歩中の自分を自撮りして気分まで煽ってみた。
こんなふうに自分で自分をいじめることを、実はしょっちゅうやっている。


お店に着くと友人がテキパキと準備してくれた。
そういえば友達の働く姿って滅多に拝めないので新鮮だった。背が高いので制服似合っててかっこいい。羨ましい。
駅前によくある60分いくらのマッサージは利用したことがあったが、こんな女子力満点の美容マッサージは初めてだった。
もちろん気持ちよかった。

私はマツエクやらネイルやらをしたことがない。
「美容にお金をかける」という行為を一切してこなかった。
以前、職場の男野郎が「女は自分にお金をかけたらかけた分だけ、キレイになれる」とほざいていた。
彼は過去にも「何で女の子が髪を短くするのか分からない。芸能人ならまだ分かるけどさ」などと頼んでもいないのに持論を展開していた。
女は男のために美を磨くべき、とでも思っているのだろうか。
私は自分が好きな服を着るし、自分のしたい髪型にする。
価値観を押し付けてくる人は承認欲求が強い表れなんだろうか。
でも当時の私は適当に流してしまっていた。言い返せばよかった。

でもこうやって時間とお金を使って、自分にご褒美をあげることはすごく素敵なことに思えた。
それに女性が美しくなるお手伝いをする友人も輝いて見えた。
どんどんきれいになって、自分に自信がついて明るくなっていくお客さんを見てやりがいを感じているようだった。


施術が終わり、一年ぶりに会ったのでお互いの近況報告など話した。
急に、「もし今〇〇(夫)が死んでも、〇〇の払った年金はもらえるのかな〜」と言い出したので、「え、何急に?」と聞くと、
「何があるかわかんないじゃん」
もちろんその通りだ。たまたま最近読んだ本に縛りはあるもののもらえると書いてあったことを伝えた上で、
「でも最悪どうにもいかなかったら、子供に助けてもらうのもアリなんじゃない?」と言うと
「私、子供に面倒見てもらおうなんて1mmも思ってないよ!子供の人生は子供のものだもん。迷惑かけたくない」

思わず「偉い!!」と叫んでいた。


将来、実際に子供にお世話になるかどうかは別として、こんな心持ちでいる友人はかっこいい。
私自身、両親には金銭面で苦労させられてきたので「勝手に産んどいて無責任だ」と思っていた。
私の両親にももしかしたら友人のような思いはあったのかもしれないが。
でも世の中には子供に面倒見てもらう気満々の親がいるのも事実だ。



そして無職になった今、働きながら育児をする人のすごさを痛感している。


まだ働いていた頃、仕事の日は疲れ果てて家事ができずに休みの日に一気にやり、食事も自炊できないことがしばしば。
でも今は時間があるので部屋は常に片付けられ、一汁三菜とまではいかなくともしっかり自炊している。
これを世の多くの母たちは働きながらやっているのだ。
すごすぎる。
それを言うと「手抜けるところは抜いてるから」とか謙遜されそうだが、すごいものはすごい。
どこにそんなパワーがあるのか。


よく考えたら私の母も働きながら育児と家事をしていた。
うちの場合は父が亭主関白で育児と家事に全く参加せず、口出しだけはしてくる男野郎だった。
母は車の免許がなかったのでどこに行くにも移動は基本徒歩。
すごい体力と気力だ。


それを思うと「勝手に産んどいて」とはなかなか言えない。

いろんな親がいて、いろんな家庭がある。

正解なんてないだろうし、見つける意味もない。



外に出ると雪が降っていた。

母になった友人が発した一言から、いろいろ考えさせられた一日だった。


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