数学漫遊記 ~数学が苦手だった僕が入試問題のyoutubeを観るようになるまで~
1.数学が苦手になったわけ
小学校の中学年までは、算数は苦手じゃなくて、むしろ得意だったんですよね。
苦手になったのは、小学五年の時です。
当時、親に勉強用に副教材を買ってもらったんですよね。小学校の勉強に飽き足らなくて(暇だったので勉強するという、変わった子供でした)。
で、親は国語は参考書を、算数には同じシリーズの問題集を買い与えてくれたんです。
国語の参考書の方は、読み物としてもすごく面白く、僕は喜んで読み、問題を解いていたんですね。
ところが、算数は問題と答えだけで、さっぱり面白くなく、むしろ問題を解くのが苦痛だったんです。
でも、親は途中で放り出すことを許さず、無理矢理全部やらせたんですよね。
ここから、いやになってしまいました。
中学に入ると、中間・期末試験では他の教科に比べ、数学だけは非常に低かったです。
ただ、中三の時、数学担当の男の先生が僕に合っていて、高校入試は何とか突破できました。
しかし、高校に入ってからはまた数学ができなくなりましたね。僕は国公立の大学を目指していた(家が貧しかったため)ので、文系でも数学は避けることができません。
結局、現役・浪人時代も数学のおかげで受験に失敗し、滑り止めの私立の大学に通うことになってしまいました。
2.数学を克服するまで
通っている大学に満足がいかず、仮面浪人しながら再度大学を受験することにしました。
そして、僕を苦しめた数学も克服してやろうと思いました。
どうやって克服するか。
僕の場合は、好きなものから入っていく、という方法を取ったんですよね。
先に述べたように、僕は国語が得意で、文学も好きだったんです(まあそういう人が数学が苦手なことは多々ありますよね)。
まずは、文学に近い数学者に近づいていきました。
高校時代、「進研ゼミ」の教材で、面白い数学エッセイを書いている数学者の人がいたんですよね。
森毅、という人でした。
なので、この人のエッセイをいっぱい読んだんです。その中で、数学者にも色んなタイプがいて、センスはないけど知識を蓄えているのが強みの数学者もいる、と書いてありました。
今なら和田秀樹氏が数学克服法で広めている、パターンを覚えることによって数学を克服できるんじゃないかと思い至りました。
次に、「大学への数学」という雑誌を毎号買って読みました。
もちろん問題とその解法に誌面が多く割かれていましたが、僕はエッセイや投稿欄を読むのが好きでしたね。
エッセイは、京大数学科のドロドロとした内側が書かれていたりしました。
そして、投稿ですが、これが良かったですね。
今で言うオタクの世界、アングラワールドが展開されていたんです。
8浪して医学部に入学したとか、浪人を続けて妹に抜かれてしまったとか、濃い話がてんこ盛りで。
仮面浪人の僕の鬱屈した気持ちが、少し晴れるような気がしました。
そして、「大学への数学」の別冊、「日々の演習」を買い、問題をコピーし、コピーした問題を問題ごとに切り取って袋の中に入れました。
そして、毎日袋の中からおみくじのように問題を取り出し、解いていったんです。
分からなくても、10分は色々考えてみました。
その後、解答をルーズリーフノートに書き写しました。
書き写しながら、解法のポイントなどを書き加えていきました。
あと、Z会の添削もやり、これは数学の問題ができそうな旬の分だけ提出していました。
結局、これで何とか数学を克服し、志望校に入学したんです。
3.数学とのつきあい
そんな僕も中年となり、残された人生のことなど考えるようになりました。
悔いがないように、やりたかったことをやろうと思って。
その一つに、大学入学でやめてしまった数学のことがありました。
死ぬ前に、もう少し数学にふれ合いたい、そんな気になったんですよね。
そんな時、youtubeで数学の大学入試問題を解いている動画を見つけました。
https://www.youtube.com/channel/UCye8PYMLvXg-h48lTPFwb2w/videos
この方、主夫しながら趣味で(まあ昔は数学の塾講師をしてたみたいですけど)数学の大学入試問題を解いていて、それをyoutubeにアップしているんです。
これが面白くて、いまでは毎日視聴するようになりました。
あんなに苦手だった数学なのに、人生わからないものです。