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ベネズエラのマンドリンに入門するための10曲くらい

ブラジルのショーロやアメリカのブルーグラスで使われるフラットマンドリン、知ってますか。マンドリンオーケストラで使うようなボディがまん丸なやつじゃなくて、平べったいやつです。そのフラットマンドリンの演奏者がベネズエラにも大勢おり、彼らによって書かれた、マンドリンが主役の楽曲が数多くあります

ベネズエラの音楽は日本で知られていなさすぎるんですが、とりあえずかっこいいので、マンドリンかっけえ曲を紹介します。ようこそ魅惑のベネズエラマンドリンの世界へ(ベネズエラの音楽って何やねんみたいな説明は割愛。石橋純『熱帯の祭りと宴』を読んでください)。

ちなみにここで挙がっているアーティストはいずれもベネズエラ都市弦楽の重要アーティストなので、ここで出てきた名前をYouTubeで検索してディグれば、良い感じになれます。

YouTubeのプレイリスト↓


[曲名/リズム/作曲者]

①El Cruzao  / Joropo Oriental / Ricardo Sandoval

作曲者本人の演奏。マンドリンのスーパーマエストロであるリカルド・サンドバルが10代の頃に書いたこの曲は、いまやベネズエラ都市音楽のスタンダード。途中のマラカスぐるぐるは実は難しい。この曲のジャンルはホローポ・オリエンタルですが、「ホローポ・オリエンタル知らんわ」という方は以下の記事も頑張って読んでください。

②Sr. Jou / Danza / Pablo Camacaro

作曲者のグループであるライセスによる演奏。ベネズエラ都市弦楽のスタンダード。ベネズエラの音楽家は(多分)みんな弾ける。

Sr. Jouはグルフィーオの演奏もかっこいい。


③El Cumanés / Joropo Oriental / Morocho Fuentes


オリエンテの巨匠モローチョの作品。モローチョの曲はどれもカッコいい。↑本人の演奏 ↓ベネズエラの若手マンドリン奏者ホルヘ・トーレスの演奏。


④Acidito  / Merengue Larense / Adelis Freitez

セシリア・トッドの歌で有名な、メレンゲの名曲。マンドリン奏者チュイート・レンヘルのマンドリン伴奏のフレーズのセンスと音色は、数多くいるマエストロの中でも随一。


⑤Por Estos Rincones / Danza / Cristobal Soto

ベネズエラの都市マンドリンのゲームチェンジャー(と筆者は思っている)クリストバル・ソトの曲。聴けばわかる良い曲。サンドバルのアルバムにも入っているが、グルフィーオによる、このフルートとマンドリンのアレンジは最高。


⑥Chucho y Ceferina / Merengue / Conny Méndez

リリア・ベラの歌で有名な素晴らしいメレンゲ。クリストバル・ソトによるマンドリン伴奏。ソトのマンドリンはなぜそのフレーズ運びなのかがわかりやすくて勉強になる。

リリア・ベラの歌もかっこいいなあ(この音源のマンドリンもソト)。

⑦El Diablo Suelto / Vals / Heráclio Hernández

グアルベルト・イバレートの歌で有名な、ベネズエラのスタンダード。管楽器奏者はテクニックを披露する曲として演奏したがるが、マンドリンはそんなに難しくはない(当社比)。グアルベルトの歌にはマンドリン伴奏入りがち&ピッチズレていがち。

相変わらずSuperなグルフィーオの演奏。


⑧La Negra Atilia / Merengue / Pablo Camacaro

素晴らしいメレンゲ。パブロ・カマカロの曲は、メロディ聴くだけですぐに彼の曲だとわかるのが不思議。グルフィーオによる魅惑の演奏。やっぱりマンドリンが輝くのはメレンゲ。


⑨La Bailarina / Joropo Oriental / Ricardo Sandoval

サンドバルによるホローポ・オリエンタル。隠れた名曲で、テーマ部分もインプロ部分もとてもかっこいい。マンドリン奏者ペドロ・マリン率いるカラカス・シンクロニカによる演奏。


おわりに

・グルフィーオ多いな(の割に、このグループの説明してなさすぎますね)。