【TDRとUSJのファンが語る】SCRAP「輝け!Aqoursぬまづフェスティバル」にお手伝いに行ってきたよ
いよいよそのベールを脱いだ"体験する物語"。SCRAPの「輝け!Aqoursぬまづフェスティバル」。Aqoursのみんなと一緒に歩んだこれまでの軌跡を胸に、5/14(土)にフェスのお手伝いに参加してきました。そしてその上で、私自身ディズニーパークスとユニバーサル・パークス・アンド・リゾーツが大好きということもあり、一体どこまで彼らの作り出す「ものがたり」に迫ったのかという楽しみもありました。今日はそのレポートです!
前回の記事はこちら。
イマジニアの作り出す「ものがたり」とは何か?
さて。本題に入る前にこの話をしていかなければなりません。このあいだウォルト・ディズニー・ワールドにできた「Star Wars: Galactic Starcruiser」のことです。ただのスター・ウォーズのホテルではなく、スター・ウォーズの世界に丸ごと入り込んで浸れるバケモンホテルです。今回の「フェス」において、SCRAPの方もnote記事上で話のタネに上がっていたほど大きな影響を受けていたことは今更語るまでもないでしょう。
「Star Wars: Galactic Starcruiser」においては、データパッドを用いてストーリーが進んでいきます。船内のどこからかやってくるメッセージに沿って新人のクルーを助けたり、あるいはジェダイの手助けをしたり。まさしく「あなた」がストーリーに介入し、あなた自身の物語となっていくのです。今回のSCRAPが仕掛ける"体験する物語"においても、このホテルにおいても、もっとも重要なピースは、両方とも生きていると感じるのです。
では、イマジニアが作り出す物語とはいったいなんでしょうか?その答えは間違いなく「没入感」というワードにあると思っています。古くは「白雪姫と七人のこびと」においての「ゲスト自身が白雪姫になるので白雪姫がアトラクション中に出てこない」から始まり、その後も最新技術が発展するにつれどんどんイマジニアたちの思想が現代に追いついていったような感じがあります。あの陳腐とされる「まほもの」ですら、ただストーリーを追っかけているだけなのに目新しい「ヴィークルが揺れるトラックレス」と「空間のでかさ」で動かしているので、もはやどんなものでも強引にマジックをかけられるレベルまで達しているのです。
またUSJに関しては「VR・AR」に代表される「映像」という大きな技術があります。映画会社ならではの"シネマジック"で、映像の世界で没入感を高めるつくりになっていると私は感じます。もちろんそれに頼りすぎることによって生まれる弊害はあったりしますが、少なくとも日本にあるものはぜんぜん大丈夫なので気にはなりません。デジタルとの融合が進む中、いったいどこまで没入感が進化するのか、そしてその進化に日本発のエンタメはついていけるのかという心配も、実はあったりします。
オンラインとオフラインでつくる没入感
ぬまづフェスティバルにおいて、SWホテルの「データパッド」の代わりになるのが「助っ人さんマイページ」と呼ばれるサイトです。こちらは専用端末ではなく、チケットを買えばあなたがお持ちの端末から見ることができます。
驚いたのは当日の流れや工程が事細かに書かれていたこと。Googleマップの埋め込みや動画などあらゆる手を尽くして、おそらく「彼女たちがGoogle サイトで作ったもの」というような形がわかるようになっていることに非常に驚きました。ラブライブ!シリーズとパソコン端末というのは切っても切れない関係でして、順位確認やエントリー、さらにはライブ配信など、様々な手段を用いて自らをアピールするツールとして最も身近なものとして描かれていました。それは最新の作品でも決して変わることなく受け継がれています。
彼女たちは、"はるかかなたの銀河系"で用いられるようなハイテクツールは決して持ち合わせていません。だからこそ、一見「Googleサイトだなこりゃ」というのがわかることの説得力が大いに増してくるのです。これにはとてつもなくびっくりしてしまいました。
さて、いよいよよみうりランドへ!
当日私が体験したもの
当日千歌ちゃんたちからメッセージを受け取り、トゥモローランドから飛び出してやってきたのはよみうりランドのオーロラゲート。当日はあいにくの雨(しかもニュースで騒がれてたような豪雨)ということもあり、開催できるかめちゃんこ不安でしたが、明日の太陽を祈ってここまで辿り着きました。
入り口から入ると、なんと浦女生がみんなでお出迎え!下級生も上級生も関係なく、総出で助っ人さんを迎えてくれました。あったかい、なんてあったかいんだろう。こんな雨の中なのに、めちゃくちゃ遠いところから来てるのに、どうしてそこまで笑顔なんだろう?そう思わずにはいられませんでした。
これまでの歩みをなぞるように語られる千歌ちゃんの言葉。スクールアイドルの活動を通して見えた彼女の言葉は、とてつもなく重みのある言葉でした。たくさんの仲間や繋がり、美しい景色、そしてわたしたちも大事にしてきた「あったかさ」。改めて私も気づくことができたと思います。
私が行った体験で一番心に残ったのはこのマップです。みんな沼津を心から愛してるんだなぁという思いがダイレクトで伝わるものです。これ、毎回毎回書かれることが違っていくと思うんですよね。100公演あれば100通りのマップが描かれ、100通りの「SUKI」が生まれる。そんな素晴らしい世界が広がっていました。
街も狭ければ世間も狭い。だからこそ生まれるつながりがあり、だからこそ楽しめるフェスティバルになったと。今回のフェスには、松月さんやJAといった地元のお店もたくさん参加しています。それは何より、Aqoursのみんながこれまで紡いできた繋がりのパワーによるものであることは疑いがありません。それは消えることなく、これからも続いていくのです。
没入感として「ラブライブ!サンシャイン!!」の世界を再現することではなく、沼津の魅力を伝えるために彼女たちができる全てを尽くしたこと、そしてそれを手伝えたことこそが「体験する物語」の全容であり、イマジニアとは違うアプローチになったと思うのです。マジでぬまっちゃも寿太郎みかんジュースもヨキソバも深海プリンも買えて、その上でここまでいろんな体験ができたことはいい意味で社会のバグだと思ってます。本当にここ現実かな?嬉しかった!
そしてそして、最後には素敵なことが起こります。これがめちゃめちゃキちゃいました。何が起こったかはあなた自身の目で確かみてみてくださいね。
大事な「手作り」と「イマのキモチ」
劇場版で私が好きなシーンの一つに「浦女生みんなでステージを作り、そこでライブをやる」というのがございます。その意気込みがしっかりとダイレクトに伝わってきていたのが今回のイベントだったと強く感じました。
ディズニーとユニバにはハイテク技術があります。正確にいうと、ハイテク技術の上に「うそのほんもの」が成り立っているという構図です。それはリプレイスしない限り永久で、決して変わることのない時を生きています。亜空間爆弾で切り取ったかのような世界とも言い換えられるかもしれませんね。
彼女たちはその上で「変わっていく形」を「スキ」の感情を持って、このイベントの中で受け入れていきます。今の形をそのまま残すこともできたかもしれませんが、それを望まなかったのは彼女たちと「わたしたち」の体験があったからだと。そう心に響いていくのです。
「ラブライブ!サンシャイン!!」は、当時の沼津の記録映像としても捉えることができます、その時代からなくなっていくものは、例えば仲見世のマルサン書店さんだったり。消えていくことに「あがく」こともできます。しかし、千歌ちゃんたちは足掻いた上でその「思い出」を永遠のものにしていったのでは、と私は思います。そしてそれは、わたしたちが繋がっていった思い出ともなっていくのです。
「沼津、あったけぇんすよ」という言葉があります。私の人生の指針になった方の一人である「ぶれぶれのジョニー」さんという方の言葉です。沼津でもこのフェスでも、出会った人がみんな本当に暖かい人ばかりで、まさしくその言葉を体現するフェスであったと心から思います。どうかこれをきっかけに、沼津で楽しい思い出を作る方がもっと増えますように。