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氷河期世代に攻撃的なバブル世代…
氷河期世代は甘えと、バブル世代は言うとかXなどで見てますが、甘えなんてとんでもない。
むしろ、バブル世代は高度経済成長世代や団塊世代の遺産に甘えてぬるま湯に浸かったような世代って言っても良い部分も大きいです。
例えば、オートバイ。
今の高校生がバイト頑張ったところで、新車で原付がすぐ買えますか?
無理でしょう?でも、バブル期にはちょっと夏休み頑張れば原付は手に入るような時代でした。
それでさらにバイトして教習所通って中型免許取得後、中古のヨンヒャクだろうと新車でニーハンだろうと気にせず買えた時代でもあります。
転じてじゃあ氷河期世代はどうなのかってなるんですね。
まず高校生が夏休み全力で頑張ったところで原付も中古で買うのも苦労します。
え?!ってなるくらい高くなったなんて言う話も聞きますがバイトの給料で月々の小遣いや場合によっては自分の食費も賄う子がいる訳ですよ。
原付の価格が中古でも上がったのは、物価の高騰がなんて言う言い訳もあるでしょうが、それに対して収入が上がっていない、国内景気が上がってない状況があります。
もちろん世界的な不景気という言い訳もあるのでしょうが緊縮財政と増税という部分は経済基盤が不安定な当時の学生には、地獄の入り口ですから動くことすらままならないと言う事になります。
これはモロに就職にも影響しますし企業も現状で雇っている労働者の雇用維持のために新規を雇わない雇えないって言う事が発生しただけではなく、会社の維持のためにリストラと言う大鉈を振う事にもなったのですね。
この時、リストラの対象になったのは、若い世代だけではなく会社で成績が悪いとされる人達です。
その中には技術を持っているけれど直接の売り上げ数値にはならないという理由で切られた人も居るのですから、仕事で苦労した!就職できなかった!!なんて言う人が出ていてもおかしくはないですがしかし、今氷河期世代を批判するバブル世代は大ナタを振るった側なんですよね。
言わば弱者切り捨てとなりますけれど、これらに対してバブル崩壊期の左翼知識人も左翼政治家も当初は冷淡でしたね。
曰く「弱者の苦しみが理解できたであろう!」と言う感覚なのですけれど、実際には彼らの言う弱者が存在はせず加えて新たな生活困窮者予備軍を作ったと言える訳ですね。
この時に社会党や共産党が、この人達を救う仕草を見せていれば今の様な弱小政党化は無かったかも知れませんし、経済における解雇される側が虐げられた労働者であると言う認識が有ればよかっただけなのにリストラ対象者を凋落する金満日本の象徴と見た事での大間違いがあるのですね。
それでもまだ日本の経済には余力がある崩壊開始の1991年から1993年ですから、企業による巻き返しなども考えられていましたし私の様なバブル末期世代ならば、バイト名目の契約社員や専門職提供の契約社員と言う契約社員が期間労働=非正規雇用の言い換えじゃあなかった時代での救済でもあった最後の時代ってなります。
この時点でGDPが500兆円前後。
ここから経済成長を止める非自民・非共産の連立政権から社会党政権になり阪神淡路大震災へとなって経済的な停滞が決定的になってしまいます。
しかも1997年を基点に韓国を発生源としたアジア通貨危機などの問題があり、アジア圏の景気も冷え込むのですよね。
この時共産圏は強くなれたかと言うと遥か以前にベルリンの壁崩壊がありソ連の崩壊が進んでいたのですから経済やイデオロギーによる冷戦には勝者が居なかったなんて言うことも言われては居た時代です。
この時に入ってくるのが世界標準、デファクトスタンダード、グローバルスタンダードなどと言う度々言葉を変えて浸透してきたグローバリズムなのですよね。
これは同時にネオリベラリズムもセットで入ってきているので現在の個人主義と優越意識を持つバブルサバイバーの意識の中核にあると思って良いと思うのです。
というのはリストラが激化してバブル末期世代にもその手が及んできた頃に、たかもちげんと言う漫画家が「リストラマン太郎」と言う漫画を書いていました。
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この漫画のセリフで、「リストラとは、リコンストラクチャー(再構築)の略」と言っており「本来のリストラは人を切る事ではなく人に合わせた業務の再構築」と言う事が度々描かれるのですね。
しかし、現実にはリストラ=再構築ではなくリストラ=合理化であり、人員整理と正規雇用の少数かを進めていった訳です。
その急先鋒が竹中平蔵であり、雇用は適宜切り替えれば良いなどの情報が流布されるだけでなく、朝日新聞などでは率先して契約社員や個人事業主で会社と対等な労働者になんて言うイメージを広めていました。
ただ、1967年生まれの私はバブル末期世代ですが同時に専門学校を卒業したらその基礎スキルでも稼げてたりしましたし、普通に1995年までは大型バイクを買っても余裕で遊べる時期があった訳ですね。
だから感覚的に個人事業主や契約社員がそう言う気楽なものではないと言うイメージはあったのです。
それでもバブル崩壊後にはその言葉に藁をも縋る思いでしがみついた人達や期間労働者の言い換えにしか過ぎなくなった派遣社員になっていくなどが結構あったのですね。
リストラした側でもあるバブル世代は、自分達は能力があるからと言う自負を持つに至りますが、現実には多くが太鼓持ちでリストラする役員や上司に媚びたからと言う人の方が多かったと言う状況になってしまったか、と言える状態でした。
実際には違うと言うかも知れませんがそう言う会社と言う収入源切れると困る人達は上に倣えをしてしまったと言う流れはそう評されても文句は言えない状況なのですからね。
また、小泉純一郎が総理になり小泉竹中改革が本格的になると、竹中平蔵に批判的だった経済系の人をメディアも段々と使わなくなって合理化連合の様になったなんて言う面も。
経済成長や積極財政を悪役視してPB黒字化なんて言う言葉で自力でなんとかしようとしていた世代すらも疲弊させきり30年以上にわたるGDP500兆円前後のモラトリアムと苦しい国民生活が続くわけですね。
就職氷河期の始まりは1993年ごろからと言われますが、2回に分けて起こってる事にも注目しないといけないのですがITバブルが起こってそれによる景気浮揚が期待されながらも崩壊した2014年までの状況を見ると、就職氷河期の影響にはやはりバブルサバイバーによる自己保身と言う面は見て取れるでしょうし、リーマンショックによる不況の悪化への対策より自己保身を優先した印象は拭えないでしょうし自覚は大なり小なりあると思います。
バブル世代の定義が今は1965年から1969年生まれの世代とされますが2014年までにはその人達は社会の中堅です。
四十代半ばの私らバブル世代は、その時に下の者や上の者の生活に対して大きく意見を言えるはずの世代なのに殆どが黙って現状維持を望んだ訳なのだし、景気回復や財政出動を言った当時の与党を下野させる様な意見を目立つ大半が言ってた様な時期です。
それに異を唱えるとネット右翼だネトウヨだと言われていた訳ですしそれらを避けるために黙った多くがいる世代です。
就職氷河期世代を甘いだなんだと言う前にまず就職も面接も困らず、面接の交通費も出る場合や約束金的にもらえるお金や、就職面接パーティー的なものに浮かれて社会を見なかった多くのバブル世代は彼ら彼女らを批判できる様な生活はしてなかった事を思い出さないといけないし、仮に今は共産党で弱者や労働者のために頑張ってると言う人がいてもその人がバブル世代ならば、そう言う道楽が出来るくらいには他者を虐げた、切り捨てたと言う過去があるって言う自覚は必要だと思ったりします。
就職氷河期世代はバブル世代が社会に無関心だった事から生まれたと思って良いですし、社会や政治や将来を考える人を根明根暗カテゴリの根暗として嗤った世代でもある訳でそれは彼らの青春期にフジテレビが「楽しくなければテレビじゃない」と言うキャッチコピーで軽佻浮薄文化を作った中心にいたとも言える世代です。
そして一部の年齢層は「モラトリアム世代」にも入ってる訳ですから後の世代や先の事を見ないで生きてきたツケを次代に押し付けてると言う反省はそろそろ持つ必要がある、とバブル世代であり根暗分類されたりネトウヨ扱いされたりした私は思うのです。
タイトルはpartonさんの絵を使わせてもらってます。
こう言った思い出話ベースでも色々書いていきたいと思ってます。
当時の生活とか語るだけになる記事もあるかもしれません。
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