来る者は拒まず 去る者は追わず

彼は来る者は拒まなかった。来る者が自分に何を提供してくれるかを最初に見極め、それによって接し方を変えた。

保険のセールスレディは、彼が事業を立ち上げる時にどうしてもお金が必要だった時、抱きしめられて100万円を渡した。彼は彼女から100万円を手に入れることを最初から決めていた。そこからは、彼女から一緒にいてほしいと言われれば、何も言わずに優先した。彼女はそれを、○ちゃんは私との時間を大切にしてくれる。幸せ。と言っていた。でもそれは、彼が心を閉じているだけだったのを彼女はまだ気づいていない。彼は彼女のことを私に「おばはん」と言っていた。

他にも寄ってくる女性は全員抱きしめた。抱きしめられることに慣れていない女性はみんな、自分だけが特別だと思った。

このように来る者を拒まなかった結果、周りにはたくさんの女がいた。その中で、私だけのものにしたい、だからわざと去るふりをして止めてもらおうとした女性は、そのまま去ることになる。なぜなら彼が止めないからだ。逆に去ろうとしてもう一度戻った女性は、そのあと泥沼にはまった。手離そうとしたものの大きさに気づいたからだ。そして彼は戻ってきた女性を、また抱きしめた。戻った女性は彼が去る者を追わないことを心で知るため、二度と去ろうとしない。そればかりか、彼の気を引くためにお金をたくさん使った。

とはいっても、彼から去った女もたくさんいた。去っていた女は全員彼を恨んだ。裁判を起こした女性も複数いる。愛情がありすぎたからこそ彼の偽善に気づき、踊らされた自分をなぐさめるために怒りに代えた。だから、その怒りはそんな簡単に収まるものではなかった。

彼が今突き抜けられないのは、この女性たちからの憎しみという重みだろう。生き霊は本当にいる、と彼を見ていると思わされる。

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