おねショタゴリラの大冒険
なんで新年早々こんなものを書いているのかと言いますと、
僕の目標は死ぬときに「楽しかったな」と言って生命活動を終える事であり、基本的に面倒くさがり、応用的にも面倒くさがりの僕が、これに関しては妥協を許さない姿勢で臨んでおります。
この件は、ちょいちょい公言しておるのですが、
「それは君が順風満帆な人生を送っているからだよ」
という意見もちょいちょい頂きます。
それを聞くたびに僕は
「慎まねばならぬ 慎まねばならぬ」
と敬愛する横山光輝先生の「項羽と劉邦」の作中の劉邦のセリフを心の中でつぶやくのですが、
「果たして、余は順風満帆なのか?」
という思いも、同時にぬらりと鎌首を持ち上げるのです。
以下、全然順風満帆じゃない僕の人生を記します。
【人生スタート】
そもそもですね、私はこの世に生を受けた瞬間に死んでた訳ですよ。
仮死産ってやつです。
へその緒が首に巻き付いてて、セルフ絞殺状態で現世に受肉したわけですが、
あとちょっと遅かったら母親のお腹からこんにちは!した瞬間にゲームオーバーですよ。
昔のゲーセンにあった脱衣麻雀で100円入れたらCPUが天和で即終了みたいなやつですよ。
そして、この件で僕は「肺」の形がおかしくなり、成人以降まで苦しむことになります。
【幼児期】
めっちゃ可愛かった。自分でこの頃の写真を見ると「誰やこの美少女は!」と思うくらい美少女でした。
(※なお今は美少女からは程とおいブタゴリラです)
あまりの美貌に幼稚園の先生にえこひいきされ、こっそりお土産をもらったり、毎日、女の子4人くらいに囲まれて過ごすという人生の最高の栄華を極めた時期でした。
…が、ここで重度のアレルギー体質で喘息やらなんやらに苦しめられます。
特に喘息がひどく、先に出た「肺の形」も影響して、なんなら10回は死にかけました。
もう救急車に乗りまくりライフですわ。
皆様の税金で生かされました。ありがとう日本のみんな!
そんなこんなで常に呼吸困難になる恐怖と戦って生きてた気がします。
みんなと走り回って遊ぶとかできないし、運動もできません。
体力のない薄幸の美少女フェイス男児爆誕ですわ。
そしてこの体質と体力のなさが小学生の頃に悲劇を生む事になるのであった。
【小学生期】
低学年の頃は引き続き、美少女形態で過ごしておりました故、
学校では女子と遊び、放課後は幼稚園時代の幼馴染(先に出た4人)と遊ぶといったモテ期の確変は続いておりましたが、
体力がなく運動音痴だったので男子からはお荷物扱いでした。
小学生は運動できるのがヒエラルキーの頂点ゆえ、僕は最下層に属される類でしたが、勉強はできたので嫌われたりはしてなかった…はず…たぶん……。
この頃はさらにアレルギーがひどくなり、ぼんやりと大人になるまで生きられないかもなーと、苦しさで眠れずに泣いた日もありました。
そんなある日、事件が起きます。
学校の帰り道、コンビニの前で綺麗な女の人に
「この近くにコンビニはないか?」と尋ねられます。
(コンビニの前なのにおかしいな)と思った僕は「知りません」と言って
走って逃げたわけなのですが、
まぁ、体質のせいですぐに息が上がってしまい、追いつかれてしまいます。
今でも後ろから腕を掴まれた時の恐怖は覚えてるんですが、
いやマジで怖かった。
範馬勇次郎みたいな父親に制裁くらった時より怖かった。
いまだにあの時の恐怖心は覚えてる。
ここからはちょっとセンシティブなので性的な話が嫌いな人は自己防衛しておくれ
恐怖で動けない美少女男児をコンビニの裏側に連れ込んだ女。
無言でズボンを脱がせに来る。
今でも覚えてるが、
すごく綺麗な顔をしているのに、瞬きをしない目がものすごく怖くて
なすがままになってしまった。
恐怖でよく覚えていないが、性器を舐められ、噛まれた。
噛まれた痛みと恐怖でめちゃくちゃ泣いた。
その涙でべちょべちょんの顔をべろべろ舐められて、後ろを向かされて肛門を見られた気がする。
その後、女は自らの性器を見せつけてきた。
当時は女性器とか知る由もないので、肛門だと思った僕は、
「自分の肛門を見せつけてくるなんて異常者に間違いない 殺される」
と意を決して逃げ出した。
多分、火事場の馬鹿力ってやつなのか、
今でもなんであんなに走れたのかわからない勢いで走った。
途中で幼なじみのお母さんに「どうしたの?」と声を掛けられた時、
「助かった」と泣き崩れたのを今でも覚えている。
結局この後、幼なじみのお母さんに家まで送ってもらったのだが、
幼かったので何をされたのかよくわからないし、
何より恐怖感が強かったので、
「知らない女の人に誘拐されそうになった」的な報告しかできなかった。
結局犯人は見つからずに終わった。
忌まわしい記憶なので思い出さないようにしていたが、
気持ちの整理のために詳細を思い出してみると、意外とちゃんと覚えているもんですな。
そんだけ衝撃的だったんだろうけど。
そして ごめん
実は今までのは全部、前振りで、これから書くことは本当は話したかった事です。
なんか真面目にストレートに書く事にすごく抵抗があったんじゃよ……。
そんなわけで、この事件のあと、ずっとうちに秘めて生きてきたんだけど、
大人になって、精神的に余裕が出てきたときにこの事件を周囲に話した事がある。
まぁ想像つくと思うんだけど。
男性は大体が「ご褒美じゃん」「おねショタじゃん」っていう反応なんですよ。
でもね、実は女性も全く同じ反応するんだよね。
身を案じてくれた人は男女とも少なかった。
自分があんまり深刻な雰囲気で話していないのも悪かったと思うんだけど、正直ちょっとショックを受けた。
痴漢をされた女友達はかわいそうで、
俺がされた事はご褒美に見えるのかって。
男性側の性被害に関しては、そんくらい軽い。
「でもさ怖かったんだよね」っていっても「男は減るもんじゃないし前向いて行こ?」的な事も言われた。男女問わず。
いや?減るよ?心すり減るよ?
一人で歩くのずっと怖かったもん。
知らない女の人と道ですれ違うたびに緊張したもんね。
付き合ってた彼女に言ったときも
第一声は「キモッ(されたお前が)」だったよ
なので、
もうこれは誰にも理解されないんだな…
一生誰にも話さないでいようと思った。
ちなみにうちの奥さんもこの件は未だに知らない。
上半身裸の外国人にハイエースに連れ込まれそうになったり、
遠距離恋愛中の彼女にマンションに監禁されたりとか、
そういった経験はべらべら話す自分が、これだけは話してこなかった。
なんで今更、こんな話をしたのかというと、
プライバシーに関わることだから、詳しくはかけないけど、
僕の教え子にあたる男の子が一昨年、性被害にあった。
彼は誰にも理解してもらえいのでは?と一人で耐えていたが、
「この人ならちゃんと聞いてくれるかもしれない」と勇気をだして、
僕に相談してくれた。
正直、自分もどうしたらわからず、時間がかかってしまったものの、
いろいろな人の助けを経て、先日、無事に解決する事が出来た。
解決したとて、彼の心の傷は消えないのだけれども、
「苦しみをわかってくれただけでも救われた気がした」と言ってくれた。
その言葉を聞いて、
自分の経験はすごく嫌な思い出だし、一生忘れないけど、
結果、一人の人間を救えたのであれば、無駄ではなかったと思う。
あと、事件当時から今までずっと「世間には話しても理解されない」って思ってたけど、いろいろな方に真摯に協力をしてもらうことができ、
今は理解してくれる人が多いという事もわかった。
(当時は自分も周りも若かったっていのもあるんだろうけど)
数十年越しに過去の自分が救われた気がした。
小学生の僕よ もう大丈夫だぞ!よかったな!
多分、世の中が思って入る以上に男性の性被害ってあるんだと思う。
すげー言い出しにくいし、正直ものすごく恥ずかしい。わかる。
僕がこんな駄文を書いても何がどうなるわけでもないが、
恐らく世間は変わってきている。
勝て!というのは人によっては酷な言葉なのは承知している。
でも絶対に負けないで欲しい。
理解してくれる人も助けてくれる人も絶対にいる。
知ってる人が見る可能性がある以上、正直こんな真面目な文章書いたり、
過去のこういった事を話すのは死ぬほど恥ずかしいし、恥ずかしいが、
どうしても書きたかったので新年早々、書きました。
僕のことを知ってる人は「おねショタゴリラ!」とからかってください。
よろしくお願いいたします。
あと、関係ありませんが、
インターネッツの皆様は「性犯罪」に関しては
戦う相手は「性犯罪者」であって
「男性」でも「女性」でもないって事を早よ啓蒙しろと思いました。
かしこ。