石破首相、「裏金議員」を非公認へ 平沢勝栄氏恨み節の裏を読む!
厳しすぎる二重処分
石破首相は6日、政治資金収支報告書に不記載があった旧安倍派、旧二階派議員について衆院選で比例選の重複立候補を認めない方針を発表しました。
不記載だった議員をめぐってはすでに処分が下されています。世耕弘成参院議員はすでに離党、塩谷立元総務会長が引退表明。その他の議員も党員資格停止、役職停止、戒告・注意など。
森山裕幹事長は「追加処分はしない」という名言していただけに、関係議員には衝撃的な事態です。処分リストをみるに旧安倍派潰しであるのは一目瞭然。
この内幕については朝日新聞、読売新聞が詳細を報じています。この裏を読み解くポイントは平沢勝栄元復興相でしょう。
平沢氏「こんな仕打ちは、あまりにひどい」
処分を受けて平沢氏のコメントが非常に印象的でした。10月7日の朝日新聞によると首相は周囲に「裏金問題があっても、当選確率が高ければ公認する」と漏らしていたといいます。
しかし処分を受けて平沢氏は朝日新聞に取材に「総裁選では、一生懸命石破さんを応援した。こんな仕打ちは、あまりにひどい」とぶちまげた、ということです。また同日の読売新聞によると
とあります。非公認となる閣僚経験者は平沢氏のことでしょう。昨日、平沢氏はSNSに声明を投稿。自重自戒といいつつも「なお、この問題に関する決定プロセスには理解に苦しむものが多々あります」としており、不満が滲み出ています。
事務総長より重たい処分の謎
さてこの平沢氏をめぐる報道と声明、果たして平沢氏の恨み節は妥当でしょうか。それとも自業自得?
まず「総裁選で応援したのに」という平沢氏の憤り。あたかも不記載を不問してもらう代わりに総裁選を応援したという風にも読み取れます。政策や理念ではなく自己都合で石破支持に回ったのでしょうか。一有権者としては看過できない発言です。
しかし心情的には平沢氏にも同情できる面があります。
というのは上に掲載した処分リストをみますと、二階派の事務総長、武田良太元総務相の名があります。平沢氏は非公認、武田氏は非公認を免れています。立場上、より責任は大きいはずですが――。
7日の読売新聞に分かりやすい図版がありました。
政倫審に出席したか否かが処分を分けています。しかしこれも変です。というのは萩生田光一元政調会長の政倫審出席は党側が「必要なし」としています。「政倫審に出席せず」というとあたかも萩生田氏が拒んだような印象です。
政倫審の出席の有無が処分を分けたのはおそらく武田氏の救済策ではないでしょうか。そのために平沢氏は犠牲になってくれと。「先生は選挙がお強いから自力で健闘して頂きたい」ぐらいのやり取りはあったのではないでしょうか。
個人的に疑問なのが「国民からの根強い批判」といったニュアンスで報じられていますが、いうほど国民とやらはこの問題に関心を持っていますかね。そもそも仕組み自体を正確に理解している人は少数でしょう。
操り人形などと揶揄される石破首相が独自色を出したいのと、マスコミと有権者に過剰な忖度がこの処分の正体かと推測します。