TV局記者、レポーターのあの「よびかけ」は時代劇以上の古典芸能
あの呼びかけは意味あるの?
フィリピンを拠点とする特殊詐欺事件の指示役とみられる日本人容疑者4人が強制送還されてきました。テレビはこのニュースで一色。
そして警察署に連行されていく過程で容疑者が報道陣に囲まれた際に
「~さーーん、被害者の方にどう責任をとりますか」
こんな声をかけていました。まさしくド定番の光景。これは著名人などの逮捕でもありますね。特に政界絡みの汚職も白々しい。
遠い位置からテレビ局の記者やレポーターが
「国民にどう説明しますか~」みたいな呼びかけも印象的です。
あるいは人気芸能人の場合は「ファンの方に一言」みたいな。
振り向かせるってだけ?
一つにはカメラ目線をもらうって目的もあると思うんですが、カメラワーク以外でも呼びかけは確認できます。
「どう説明しますか」「被害者に一言」って答えるはずがない。そもそも混乱しているから状況的にも無理。
もう白々しくて。時代劇で言えば
「悪よのう、おぬしも」
あたりのレベルの古典芸能ですよ。
大雨や大雪の時、現地に記者を現地に飛ばして、それでビニール傘を持たせたりして
「こちらは強風で吹きとばされそうです~~」
それでビニール傘もまともに開けないって当たり前なんですけど。こんなの水戸黄門が米俵の上に座って、百姓の婆さんに説教される伝統的エピソードと同等ですよ。あるいはニセ黄門、ソックリさん、印籠が盗まれた、こんなのと同じ。
時代が変わっていく中でメディアは最も変革を求められるはずなのに、どんな業界よりも旧態依然としていませんかね。
なぜこういうことが起きるのでしょう。メディア関係者はリベラル、進歩的なイメージですがその実、自分たちの環境、仕事の流れについては異常に保守的。ワイドショーなど最たるもの。同じような人が同じことを言っています。
世の中がとてつもないスピードで変わろうとしているのに。そんな人たちが政治、経済、社会を論じていることは寒いというよりも怖いですよ。