五ノ井さんに「連帯します」へ意見殺到「連帯」はアジテーションの句読点
共産党幹部の「連帯」に当事者も不快感
元自衛官の五ノ井里奈さんが隊内で性暴力を受けたとして30日、国と加害者に損害賠償を求める訴訟を起こしました。2017年頃、世界的に「#MeToo」(被害者が告白し私もと共鳴する)が活発でしたが、五ノ井さんの訴訟に対しても野党、左翼活動家が賛同の声を挙げています。
共産党東京都委員会、田川豊副委員長が同日、「連帯します」とTwitterに投稿。共産党が五ノ井さんにすり寄る(政治利用)という思惑を感じ取って疑問の声が殺到します。炎上しました。
その後、五ノ井さんに梯子を外された格好です。Colaboでもお馴染みの堀弁護士がフォローしています。確かに「連帯」と言わなければ炎上しなかったでしょう。
連帯、打倒、粉砕に特別な意味はない
なぜ田川氏は「連帯」といってしまったのでしょう。それは共産党、新左翼、及び各種左派系の労組の「日常語」だからです。もっといえば「句読点」といってもいいでしょう。
句点(。)と読点(、)の総称のことですね。
連帯するぞ、粉砕するぞ、打倒せよ、~に鉄槌を
街宣やデモではこうしたアジテーションが繰り広げられます。例えば
アジアの民衆といっても広い。アジアの民衆とは誰でどういう状況が「連帯」でしょう。また粉砕、打倒、鉄槌をと勇ましいが粉砕されたためしがありません。鉄槌もどうしたいのか。シティーハンターを想像してしまって。
つまりこうしたゲバ用語はそれ自体に具体性がありません。「連帯します」。先の田川氏も実際に支援団体を起こしたり活動をするという意味の連帯ではなく単純に「頑張ってください。」という程度で「連帯」といえば「。」ですむのです。
打倒せよ。これもそうですね。岸田政権を打倒せよ。具体的にどう打倒するのか、またどういう状態が「打倒」なのか分かりません。それ以前に一部の活動家だけで打倒できるとは到底、思えない。
ところがアジテーションで「打倒せよ」と発すれば締められます。先の例文で見ても
アジアの民衆と連帯し日帝の侵略を粉砕せよ
連帯し=(、) 粉砕せよ=(。)
で収まります。田川氏も賛同します〇(まる)という程度の意見だったのは容易に想像できます。連帯で〇(まる)でした。
ところが連帯は一般的にセクト用語のイメージが強いです。加えて五ノ井さんの訴訟を政治利用したい思惑=連帯も含まれており、そうした左派イデオロギー臭に対する反発が騒動の原因でしょう。
今後、五ノ井さんが各政党とどんな関係を構築するか分かりません。彼女は裁判について連帯することはないと明言していますが、
安田菜津紀氏、伊藤詩織さんといった名うての活動家との交流を公にしています。「連帯」というほど大袈裟ではなくても左派活動家と交流はあるようです。