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ポリコレ美術界でも「忖度」は実在する

瞬間湯沸かし器のフェミさん

国内有数の現代アート集団「カオス*ラウンジ」を運営する合同会社カオスラで不当解雇とパワハラ告発が起きたのは2年前のこと。告発したのは同社に勤務していた安西彩乃氏。

本件はアート界のポリコレ化として私も記事にしました。
安西氏はカオスラ元代表で美術批評家の黒瀬陽平氏、カオスラ関係者を相手取って慰謝料の支払い裁判を起こしていました。

東京地裁は今月17日、原告である安西さんの訴えをほぼ棄却し、給料の未払い2万円を支払いを命じました。被告の勝訴ということになります。

もともと安西氏は黒瀬氏と性的関係にありました。それを妻、音楽プロデューサー・福嶋麻衣子氏が知るところになりトラブルに。安西氏はカオスラから退職勧奨を受けたと訴えました。

当初、黒瀬氏によるセクハラ、性被害というニュアンスで伝えられました。またSNS上でもそうした理解をするポリコレな面々もいます。

あるいは今回、問題視する『美術手帖』。美術界では草分け的なメディアです。

同誌は2019年、黒瀬氏のインタビュー記事を掲載していました。

「現代の作家は「ジェンダー」に応答できているか? 美術家・黒瀬陽平インタビューシリーズ:ジェンダーフリーは可能か?」

ところがその後、安西氏の告発が発覚すると記事にこのような補足が。

要するに女性へのハラスメントが発覚した人が、ジェンダーを語るとはケシカラン。でも黒瀬は過去、こんなこと言うとったで、という具合で記事を残すよ、と。この対応も版元としてはいかがなものでしょう。だって当時、事実関係がはっきりしていなかったから。
女性側の告発だけを優先した格好です。草津町の件も同様にフェミ活動家は短絡的すぎやしませんか。

日本画家の大家、吉村誠司氏の件はスルー

当時、もう一つの問題が並行していました。

日本画家の大家、東京藝術大学美術学部教授の吉村誠司氏が日本橋三越のギャラリーで作品展示をしていたHouxoQue氏に「あなたは中国人?」「小娘に芸術が分かるか」と差別発言をしたのだと。HouxoQue氏は

三越伊勢丹宛公開質問状

を提出しました。賛同者に津田大介。毎度、こういう問題には首を突っ込みます。

なんでこの人ら、ギャラリーに文句を言うんでしょうね。吉村氏が気に入らないならば吉村氏を詰めたらいいでしょうに。これ簡単なんですよ。

要するに「今後、吉村の個展をやるな」っていう圧力。ポリコレな面々が想定する最大のペナルティは「相手の収入源を奪う」ことにあります。

吉村氏がどのような発言をしたのか当時、東京芸大を通じて質問してみましたが説明してもらえませんでした。

ただ私が疑問に思ったのは取り巻き連中の対応なんです。

先に美術手帖は安西氏の告発を受けて、黒瀬氏のインタビューに注釈を付けました。それはすでに事実関係が確定しているかのような表現です。

ところが美術手帖は吉村氏のトラブルについては一切、言及していません。東京芸大の教授が差別発言を問われる、これは記事ネタとしては美味しいと思いますがね。

ところがスルーという現実は何を意味するのか。美術界の大物、吉村氏に対する忖度以上に「日本橋三越を刺激したくない」(関係者談)という証言がありました。ギャラリーを提供する企業には弱いということですね。エキセントリックな美術界でもやはり協力企業やスポンサーには弱い、ということでしょう。

言いやすい相手には容赦なく矛先を向けるのが左翼活動家。美術界にも同じ傾向を感じてしまって…。



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