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宮原蜂起を読む―新聞記者「ゲリラ商法」時代がやってくる!

ひろゆきさんの沖縄訪問、『めざまし8』の司会者で俳優の谷原章介さんの言動に対して毎日新聞・宮原健太記者のTwitter投稿が炎上中です。
投稿内容以上に、業界いじりに欠かせない人材ということで重要視しています。これは新聞記者たちのビジネスモデルの転換期。

新聞記者のゲリラ商法といったところでしょうか。

朝日新聞「我々は毎日のように貧乏なれしていない」


天下の朝日新聞『落日新聞』へ転化の道①

朝日新聞の社内報や全体会議の録音を入手したのでこのようなシリーズで朝日新聞についてレポートしました。全体会議の中で給料、年金問題にも言及されており、ある社員による

「うちの会社(朝日新聞)は毎日と違って貧乏慣れしていない」

という発言は非常に面白かったです。毎日新聞は給料が安いということでしばし揶揄の対象にされます。それを朝日の記者が茶化した訳ですね。そんな朝日新聞も業績不振で早期退職制度を実施しています。

「うちの会社は貧乏慣れしていない」ということで裏返せば朝日新聞は高額給料であることを認めています。

しかしこの高額給料も悩ましい点があるようです。つまり会社が認めた取材経費以外は「自腹」ということで、取材経費は給料に「手当」として含まれています。一芸に秀でた記者や活動家記者の場合、自腹で取材をしたとしても著作、講演会でペイできます。通常業務外活動ですが、マスコミの場合この辺りの自由度が高いです。

会社としても通常業務よりも名うての記者の活動の方が会社のブランディングにもなるのである程度、外部の言論活動を認めています。

朝日新聞だと本多勝一氏など典型例、モデルケースと言えます。あるいは『新潮45』(休刊)で連載していた一橋文哉氏は毎日新聞記者、社内のグループ活動のペンネームです。

しかし誰もが通常業務以外の取材・執筆ができる訳ではなくその辺りは才能や売り込み、また新聞社記者としての実績が要求されるのは言うまでもありません。

ブンヤ、東大卒、宮原さんは戊辰戦争に現れた甲冑武者

さて宮原健太記者に戻ります。この騒動以前に彼をどれだけの人が知っていたでしょうか。

宮原記者のYouTubeを見るとお世辞にも再生回数は多くありません。【新聞記者】安倍総理を直撃!なぜ国会を開かないのか!?【毎日新聞】。この動画の再生回数が2.3万回で最多。安倍元首相のネーミングバリューありきと思われます。

概要欄でお仕事依頼のアドレスがありました。おそらく寄稿かそれとも講演会か、コメンテーター的なものなのか。

彼にどれぐらいの能力があるのか分かりません。ただもし宮原記者が週刊誌で3ページもののレポートを執筆するのは断言しましょう、無理です。

なぜなら独自ネタ、エピソードがないから。なぜ週刊誌がお金をかけて外部ライターやジャーナリストに依頼するかと言えば独自情報とネーミングバリューです。もし宮原さんに独自情報があれば、とっくに何らかの成果が出ています。ただ彼の動画、SNS投稿から独自の成果は見えません。

もちろん、年齢的には若いから将来的に大成する可能性もあるでしょう。しかし今はメディア不信、そしてネットのインフルエンサーが跋扈し、なおかつSNSでは事件当事者が自ら情報発信する、報道をめぐる状況はまさに「大乱世」。

こんな時代にあって宮原記者からは元寇で元軍を前に「やあやあ我こそは」と名乗りを挙げた鎌倉武士、また戊辰戦争で軽装備・最新式銃の新政府軍に甲冑姿で挑む旧幕臣の姿が重なって見えます。

暴れブンヤと東大アピールは令和言論に通用しないぞ!

彼の時代錯誤を読み解く2つのキーワードがあります。まずTwitterのプロフィール欄を見ると「東大卒」とあります。問題になった「政治の知識も大してない人達が~」のくだりも東大卒=知的階層と意識した上でのことだと推測します。
でなければプロフィール欄に東大卒を記す意味、意図が分かりません。反体制、反政府、反権威を強く意識しそれを演じる新聞記者が「東大」という権威を持ち出すとむしろ白けるというもの。この辺り非東大出身者が指摘すると学歴コンプと言われかねないので難しいところです。ただ「無駄」とだけ言っておきます。

次にYouTube「ブンヤ健太の記者倶楽部」のタイトル名です。この場合、「記者」とは現場感、そして自分は最新事情、最新情報に接する立場にある、というアピールの意。今やTwitter発言に執着し、Twitter上で情報、写真提供を依頼するマスコミは言うほど「最新事情」「最新情報」に接しているでしょうか?

「ブンヤ」とは社業や行動規範からはみ出た破天荒な者の意。ただ繰り返しますが

むしろ大きな事件が起きるとSNS上ではおおかた独自情報の発信者が登場します。そうした時代にあって「記者」が情報の独占者とは言えません。

いわんや「ブンヤ」というほど破天荒な人がどれだけいることか。それ以前に破天荒が名記者とは言えません。ただズボラなだけという可能性もあります。

ブンヤ想像図。

どうも宮原さんは「ブンヤ」という言葉に酔っている印象があります。それを裏付ける上で毎日新聞CMを見てもらいましょう。

この動画を紹介してくれた他紙の記者は「よくも悪くも毎日新聞の特徴を端的に示す」と言っていました。

この毎日新聞CMはそれぞれのシーンごとにコメントがつきます。「ブンヤ」という言葉のイメージを視覚化した貴重な作品です。

その会社には、休日がない。

ブラック企業ですか? または作業効率が悪いのか。年中、臨戦態勢で挑んでいるということでしょうけど、今日び『リゲイン』じゃないんだから。

その会社には、会社に住んでいる人間がいる。


朝っぱらからオッサンがソファで寝ているなんて迷惑なんですけど。女性社員もいるんだし。『美味しんぼ』の山岡士郎の初回登場時か!


まさかこれに憧れたとか?

その会社には、勝手に行動する人間がいる。


ただのダメ人間ですね。サラリーマン失格。それ以上に勝手な行動をしてまで得た成果を見せてよ。

その会社には、どうしようもない酔っ払いがいる。

で? なるほどだから記事が居酒屋政談なのか。

いずれも「組織」に囚われないと言いたいのでしょう。このCMを見た高齢の視聴者には「ペンの正義」「社会の木鐸」めいたものは伝わるかもしれません。

ただ今の若者、特にこれから就職先を考える新卒者はどう思うでしょうか。

おそらく毎日側は生命力、エネルギー、ライブ感溢れた「ブンヤ」」をイメージしたのでしょう。前近代的な新聞記者イメージをドヤ顔されても誰が喜ぶのか分かりません。

宮原さんはまだ若いのに古典的な記者像を継承していると思われます。「ブンヤ」という寒いフレーズの言語センスが何より物語っています。つまり情報勝者はマスコミであり、知的階層、文化活動の頂点にいるという錯覚が強く伝わります。

食い扶持は自分で探せ

さて今回の件、宮原記者と毎日新聞にすれば「してやったり」でしょう。左派層に宮原さんの名は売り込むことができました。別に独自情報、独自ネタなどそんなものは無用です。

宮原さんは集まった「同陣営」に向けて自説を述べればいいだけ。それも単純明快で、扇情的に。

なにしろ「毎日新聞のように貧乏慣れしていない」と揶揄されたぐらいだから、会社としても自力で副収入の途を開拓するのは歓迎すべきことでしょうね。

新聞社が記者を講演会の講師に派遣する取り組みはあります。しかしこれは会社公認。ところが宮原さんのように自分のチャンネルを有し直接、仕事募集する記者も出てきました。

今回のような問題が起きて一発バズれば名前を売り込むことも可能。

なにしろ左派の先鋭化は顕著です。その層に向けて名うての活動家記者がそれぞれ情報発信して囲い込む。斜陽化する新聞記者のゲリラ商法と言うべきでしょう。

左派支持層とともにマスコミ、特に新聞記者たちの先鋭化が顕著です。そんな記者たちが活動場所と副収入のため自由に活動を始める。これは面倒な存在ですよ。仮に問題があっても記者としても炎上すれば売名になり、会社側は「本人の個人活動」と強弁できます。

現状、宮原さんのSNSを見ても飛躍的な伸びは感じません。平素は「正規軍」=新聞社、そこで得た情報をもとに「ゲリラ」=個人活動だから相当、厄介な存在になるでしょう。まあせいぜい

「ただの感想」

程度でしょうけどね。




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