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陰謀論「読書趣味」から「特殊詐欺」「暗号通貨詐欺」利用に警戒すべき!

という記事を執筆したのでぜひご一読ください。

それで反ワクチン、ノーマスクの裏側に「陰謀論」の信奉者が確認できます。

かなり前ですが「田布施システム」なる陰謀論を取材したことがあります。田布施システムとは山口県田布施町出身者が明治天皇とすり替わって欧米列強の傀儡になり、その力を背景に田布施出身者が政府要人になり現在も支配している――というストーリーです。

田布施取材当時からいわれたことなんですけども、「田布施システム」はインテリ層に支持されているんです。

幕末の動乱の狭間で明治天皇がすり替わった

田布施システムや陰謀論の支持者から三つの共通点を感じます。その一つが「断定的」なんです。「すり替わった」「暗殺された」「こう発言した」、その現場見たの?と思うほど断言します。まるでICレコーダーか小型カメラでも仕込んだかのように「決定的な証拠がある」といいます。

二つ目が「証拠」を求めると全く異なる話を始める。これも特徴的な傾向です。あるいはデータ、文献を提示するが(それ自体は正確でも)無関係のものばかり。

三つめが意外とインテリ層が多いこと。田布施システムは歴史学、政治史、この分野に知見がある人、また社会的地位が高い人にも説の支持者がいます。リタイヤ世代の本好きという印象がありました。

なまじ行動力があるのも面白い。先の田布施天皇宅を訪問した時に遺族は「大河ドラマを見てきたの?」といいました。

大河ドラマで幕末作品が放送されると「巡礼者」が訪ねてくるそうです。しかしこのお宅を特定するのはそこそこ手間なのに。その行動力と探究心は見上げたものです。

1999年までを支配したノストラダムスの大予言

子供の頃、地域で「廃品回収」がありました。雑誌・書籍や段ボールを回収するのですが、その中に『ノストラダムスの大予言』『窓ぎわのトットちゃん』『頭の体操』、いずれかが廃品の中に混じっていました。特にノストラダムスシリーズの表紙はインパクトがあるから目立ちます。

初版は1973年。私と同級生の単行本です。私が小学生の時もノストラダムスの大予言を信じる風潮はありました。

今思えば予言といっても粗い、稚拙、荒唐無稽なんですが70年代のオカルトブームも相まって信憑性を高めたことでしょう。ただ当時、ノストラダムスの大予言を読むにも世界史だとか予備知識が必要です。ネットもない、雑学番組もない上に池上彰もいません。紙媒体が情報を得る最大の手段だった時代の副産物といえるでしょう。

大槻ケンヂさんがTwitterで面白い投稿をされたので紹介しておきます。表題で「インテリの作法」と書きましたが、「読書信仰」というのも言い得て妙です。


特殊詐欺利用に警戒すべき

陰謀論を信じるインテリ層はディテール部分の知識が正確で豊富です。ただその各論が正確だから総論が正しいとは限りません。猫のジグゾーパズルを制作しようとしたら各ピースは猫っぽいけど、完成したら雪男になったイメージです。

リタイア世代の謎解き趣味の範囲ならばそれもいいでしょう。「読書趣味」が高じた陰謀論支持なら特に実害はないと思われます。

ただ注意すべき点があります。陰謀論説を支持するアジテーター側、インフルエンサー側は「悪意」をもって「扇動」の道具にしている可能性があることです。その先にあるのは「詐欺利用」。

脱原発デモ、トランプ前大統領応援デモ、そして反ワクチンデモ、それぞれ立場は異なれども「イルミナティ」=世界の支配結社を口にする人が少なくありません。説を辿ってみると「インフルエンサー」の存在が浮かび上がります。読書信仰や趣味としての「陰謀論」というよりも、社会動揺を背景とした一種の「信仰」すら感じます。これも「信仰」の範囲なら

そのリスクはズバリ「特殊詐欺」あるいは「暗号通貨詐欺」といった犯罪との親和性です。例えば世界の金融メジャーに日本の銀行は支配されており

「●●マネーを購入することが被害を免れる唯一の道だとホワイトハット(世界の真実を伝えるグループ)が指示している」

といったもの。

読書趣味としての陰謀論支持者と異なり、インフルエンサーに集まる支持者は申し訳ないけども

「一般教養が乏しい」「判断能力がない」「知的コンプレックス」

この三点セット。中には疑問を抱く人もいるかもしれません。だが狡猾にできています。説を信じない人は「支配者側に騙された愚か者」の扱いを受けます。こういう手法は知的コンプレックスを強く刺激します。

結局、情報収集する機会は増えましたけど結局、適正な「判断能力」がなければ永遠に「損する側」「欺かれる側」。といっても本人たちは全くその自覚はないでしょうが。



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