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熱海市土石流報道に読売新聞が参戦の怪

昨年7月に発生した熱海市土石流を長期取材してきました。おかげ様で関係筋からは一定の評価をもらいましたが、現在のところ八方塞がりというのが正直なところです。
熱海市事件のアプローチは主に二種類といえます。一つは静岡県庁や熱海市役所周辺、関係人物を中心に取材をして土石流の原因になった盛り土を調べる方法。対して盛り土の関係企業(小田原市)は自由同和会も絡むのでは同市内を中心に神奈川県内で関係人脈・関係団体を辿り伊豆山につなげるという方法。私は後者でした。

山間部や辺鄙な場所も多くて大変だけど、地元の人に話を聞こうとしたら「オレに聞くよりもネットを見た方が早いよ」とスマホで私の記事を見せられました。数少ない勲章です。

まあこんなところで日々のモチベーションを維持しています。

NHK、日本テレビが先行している印象

テレビ・新聞の取材だと、明らかにテレビの方が先行しており独自情報を出しています。意外なことにフジテレビの『バイキング』でたびたび伊豆山問題が特集されていましたが、これが非常によくまとまっていました。テレビ勢はわりと意欲的ですが、新聞側がパッとしません。

昨年末に『静岡新聞』が横浜市戸塚区の違法盛り土を記事にしました。これは伊豆山の盛り土企業の経営者と同一人物が行政指導を受けています。私は昨年8月に報じています。

なぜ『静岡新聞』が昨年末の時期に記事化したかといえば、伊豆山盛り土で決定的な証拠がないため、戸塚区の違法盛り土の件で経営者を刑事告発して伊豆山につなげるという考えだそうです。しかしいかんせん初動が遅すぎます。

読売新聞が本格的に参戦してくる

土石流取材の出足が鈍いのは「同和絡み」であることはあります。それから地方局の記者が本格的な事件報道に不慣れの上、行政からの情報公開がないから取材できなかったのです。

そこでついにあの会社が立ち上がったそうです。「読売新聞」です。

他紙よりも「警察情報」に強みがあるとか。警察庁幹部が今年の年頭の挨拶で「なんとしても熱海を立件せよ」と鼓舞したそうです。おそらくこうした捜査方針を受けてか読売新聞も本腰を入れたのでしょう。本社のベテランが現地で直接指揮に当たるそうです。

側聞するところ捜査も進んでおり、関係人物は3名に絞られています。うち2名は接触するのも困難な状況です。となると警察情報に強みがある読売に強みがあるかもしれません。

とはいえある程度、独自報道ができるテレビに対して新聞報道が活気づくのは「逮捕後」。その点、新規参入組の読売がどう動くのかメディアウォッチの視点でも注目したいと思います。


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