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三品トラウマ作品館           ゲゲゲの鬼太郎「地相眼」と万博キャラ

大阪・関西万博公式キャラクターが不気味だと話題です。ゲゲゲの鬼太郎の「百目」という妖怪に似ているとの指摘がありますが、私は「地相眼」というエピソードを思い出しました。

まず声を大にして言いたい! 
「鬼太郎、怖かったですよね」これよく鬼太郎懐かしトークでありますけど、これはアニメ第二期です。
それでおおかたこう続きます。
「戦争(太平洋戦争)の時の話が怖かったですよね」
これは大嘘です。第二期はいうほど戦争エピソードはありません。先の大戦エピソードは『南からの招き』(16話)と『地相眼』(37話)です。

二期鬼太郎はトラウマエピソードが非常に多いですが、『地相眼』は妖怪の霊的な怖さでは語り切れません。こんな話でした。

日本兵が妖怪の世界に入ってしまい偶然、「地相眼」という地底を見渡せる妖怪の宝を身につけます。この妖術で日本兵は石油や資源を掘り当て大企業を創業するのですが、ある日妖怪が返せとやってきます。

その条件がお前の命と財産、または息子の命が引き換えというのです。

父親は悩み鬼太郎に相談します。ところが妖怪の世界のルールですし、もとは妖怪の宝物だから鬼太郎もどうしようもありません。鬼太郎は人間の見方のイメージがありますが、「傍観者」回もよくあります。つまり妖怪のルールに踏み込んだ場合、鬼太郎も「人間側」につくことはできません。

「足跡の怪」(43話)などは最たるものです。

父親は悩みます。しかしすでに多くの従業員を抱えた今、自身が死に財を差し出すことは関係各所に迷惑をかけてしまう。しかし息子は失えない。

ところがこの息子というのが虚無的で「公害」「学生運動」で困憊する社会に嫌気がさし世を捨ててもいいというのです。むしろ率先して妖怪に命を差し出すことを望みます。

このミミズみたいな妖怪が使いなんですけども、これにくるまれながらその身が同一化していきます。悲しいことに全く本人に苦痛もなくただ「意識がなくなっていく」といいながらミミズと同化します。

これをただ見守るしかない鬼太郎一味。

このくるまれた感じが大阪のあのキャラクターに酷似していてとても苦々しい思いであの万博キャラを見ていました。

万博キャラのコンセプトがよく分かりませんが、これを採用したセンスは確かにひどい。コロナに、ウクライナに社会不安下の中である意味で象徴的ではあります。

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