夕焼けは何色なのか
仕事が終わって、家まで帰る途中に自転車でバイパスを渡る。
季節によって時間は違うけれど、空がグラデーションにそまり、電線や建物がだんだん染まっていき、いつの間にか夜にすっぽり覆われる。
夕焼けの色は毎日微妙に違っていて、たまにこのままの色を服にして纏いたい時や、パノラマ写真にとって部屋に飾りたい日もある。
仕事が終わった疲労感と昼と夜との間の曖昧でぬるっとした空気が合わさり、さっきまで仕事で覚醒していた頭を一旦空っぽにしてくれる。なんだかんだ今日もちゃんと生き抜いた私へのご褒美だ。
たまに感傷的になって、泣けてくることもあるのだが、私のひどい顔も何分か後には真っ黒な夜に溶けていく。
誰かが涙とともにご飯を食べたことがある人は生きていけますと言っていたけれど、もうなんで泣いていたかなんて忘れてしまったけれど、泣きながら食事をしたことは過去に一回や二回のことではない。
これからもきっと夕焼けを見ながら、ご飯を食べながら泣けてくることなんて人生で幾度もあるのだろうけど、その悲しみややり場のない落ち込みを塗りつぶしてくれる夜と時間が味方になってくれることを私は知っている。
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