なぜ私は社会的養護の道に進んだのか
大学時代の選択
私が福祉系の大学に進学したのは、当時の就職状況を考慮しての現実的な判断でした。「福祉系の資格を取れば、安定した職に就けるだろう」と考え、深くは考えずに福祉の道を選びました。大学生活を楽しみたいという思いも強かったため、「手堅い道を選べば、余裕も持てるだろう」といった軽い気持ちでした。
そんな中、資格取得に向けた実習プログラムの中で目に留まったのが「児童養護施設での実習」でした。特別に子どもへの興味があったわけではなく、深い意味もなく「やってみるか」という軽い気持ちで参加を決めました。この決断が、私の人生を大きく変えるきっかけとなるとは思いも寄りませんでした。
実習から始まった変化
実習が始まる前、私はすでに児童相談所の一時保護所で非常勤職員として働いており、そこで子どもたちと関わっていました。しかし、児童養護施設での実習は初めての経験であり、初めて直面する環境や状況に戸惑うばかりでした。何もかもが手探りで、どう接していいのか分からず、戸惑いながらの日々が続きました。
それでも、子どもたちと時間を過ごすうちに、少しずつ「自分がこの子たちに必要とされている」という感覚が芽生えてきました。それは、今までの私の価値観を大きく揺さぶるものでした。最初は「安定した仕事」という考えから始めたこの道が、次第に本気で向き合いたいものへと変わっていったのです。
軽い気持ちが変わる瞬間
実習後も児童養護施設で非常勤として働き続け、現場での日々を積み重ねていく中で、子どもたちとの関わりがいかに重要で、難しいものであるかを実感しました。もちろん、福祉の現場は簡単なものではなく、困難な状況に何度も直面しました。しかし、子どもたちの成長や笑顔を見るたびに、「この仕事を選んでよかった」と思う瞬間が増えていきました。
福祉の仕事がやりがいに
社会的養護の仕事には、多くの挑戦や課題が伴います。日々の業務や子どもたちとのやりとりには、忍耐と努力が必要です。それでも、彼らの成長の一部に自分が関われていると感じる瞬間の喜びは、他に代えがたいものです。
こうして私は、軽い気持ちで始めたこの道が、いつしか私の人生に欠かせないものとなっていきました。これからも、この仕事で学んだことを活かし、社会的養護の子どもたちの成長を支える一助となれるよう、努力を続けていきたいと思います。