希望を紡ぐ新たな挑戦の年に:2025年の抱負
新年あけましておめでとうございます。
2025年が、社会的養護に携わるすべての方々にとって、希望と成長に満ちた1年となりますよう心よりお祈り申し上げます。
昨年は、社会的養護の現場や支援者同士のつながりを深めるために、多くの取り組みを行いました。その中で改めて感じたのは、「現場の課題は個別のものではなく、支援者、子どもたち、そして社会全体がつながりの中で影響し合っている」という現実です。
この「つながり」を軸に、2025年は以下の3つの挑戦を進めてまいります。
2025年に向けた3つの挑戦
1.支援者を支える仕組みと地域連携の強化
支援者が孤立せず、安心して学び合える環境を整えることが、現場の質向上の第一歩です。今年は、昨年から取り組んできた「グループスーパービジョン(GSV)」や支援者向け研修を全国に展開し、「支援者同士がつながり、現場の課題を共有して解決できる仕組み」をさらに強化します。
また、地域間の連携を促進し、各地域で培った成功事例やノウハウを全国に広めていきます。特に、「子どもたちの自立支援」「虐待予防」といった分野の実践的な知見を共有し、支援の質を均一化・向上させることを目指します。さらに、オンライン相談窓口を通じて専門家と支援者が気軽に連携できる仕組みも構築します。
2.大学や専門学校での啓発活動の推進
未来を担う福祉人材に社会的養護の重要性を伝えるため、大学や専門学校での講義や啓発活動を積極的に行います。学生たちに「社会的養護」の現状や課題、そして支援の意義を深く理解してもらい、将来の現場で即戦力となる人材を育成することを目標としています。
具体的には、実践的な事例を盛り込んだ授業や、現場体験型ワークショップを通じて、学生たちが社会的養護を「自分ごと」として考えられる機会を提供します。また、教材やカリキュラムの開発を進め、教育機関とも協力しながら普及活動を強化していきます。
3.子どもたちの声を中心とした支援の実現
社会的養護において、子どもたちの声を支援の中心に据えることは不可欠です。今年は、子どもたちが自身の意見を表明し、主体的に生きる力を育むための環境づくりをさらに進めます。
具体的には、地域の特性を活かしたプログラムを開発し、それを全国展開することで子どもたちが社会とつながる場を増やします。例えば、子どもたち自身の声を反映した活動や、彼らの視点を活かした新しい支援モデルの実施を通じて、「子ども中心の支援」をより具体的に実現していきます。
社会的養護の未来をつくる「今」
私たちの仕事は、未来をつくるための「今」を支えることです。一見小さく思える一歩でも、それがつながりを生み、やがて希望に変わります。今年も、現場で日々奮闘する支援者や子どもたちと共に歩み続けていきたいと思います。
2025年もどうぞよろしくお願いいたします。
2025年1月1日
小林 努