岐阜 自衛隊ニュース 日野射撃場で実射訓練再開
元航空自衛官で現在は経営者をしていますアッシュです。
6日に岐阜の陸上自衛隊「日野基本射撃場」で今日から実弾射撃訓練が再開されました。
この射撃場は自衛官候補生が小銃を発砲し、2人が死亡、1人が重症を負った場所です。
この事件の原因等については調査中ですのでこの事件を特定した批評は避けますが、このような事件が一般的に起きてしまう原因についてお話ししたいと思います。
防衛大学校27期の先輩であります自民党の佐藤正久さんは自衛隊の待遇が悪すぎることを国会で訴えてきました。
具体的には、高卒で入隊した場合の初任給が15万円を下回っているのでは入る人も入らないという内容であったと思います。
佐藤先輩は自衛隊の人材不足を深刻な問題であると捉えられています。
実際に、自衛隊の募集年齢は18歳~33歳未満までと大幅に枠を広げています。
この背景には、少子化に伴い募集の対象人口が少なくなったことが関係しています。
一方で、母数を増やしたことによる弊害は、新卒ばかりではなくなった。一度社会を経験してから自衛隊に進む人も増えたため、従来の「返事はハイかイエスだ!」のような理屈ゼロの指導が通用しなくなりました。
社会経験があるということは、自分なりの物差しをそれぞれが持っている状態なので、指導コストが非常に大きくなります。
しかも、問題が起きたときは今までであれば命令系統で報告が上がっていましたが、今は個人が外部マスコミ等に発信できるため、いきなり問題が明るみになって幹部も実態を知らない事案の火消しをするということが発生しています。
こうなってくると指導そのものがリスクですので、何も言わない指導しない幹部が増えていきます。
これは一見すると自由が確保されているようにも見えますが、別の角度から見ると、自由と責任を理解できる層が自衛隊にどれだけいるかという人材の質の問題があります。
募集の枠は拡大しました。しかし、待遇は以前悪いままです。
そのような組織に入隊する人の性質はいったいどんなものなのでしょうか。
国家に対する高い意識を持っている人か、他に行くところがなかった人です。
国家の重要な任務をさせるのだから、銃や装備を与えるのだから、ちゃんとした人に自衛隊なってもらわないと困りますと民間の人は言います。
しかし、募集はかなり厳しい状態です。
自衛隊の各種事件は、
①指導が十分に行えない時代的な潮流があること
②募集が厳しい中で人数を集めた結果、質が担保されなかったこと
この2点が大きく影響しているのではないでしょうか。
しかし自衛隊は問題に目を背け、民間への謝罪で済ませようとしています。
今後、このような事件は増えるでしょう。
私の知る限り、自衛隊には自浄能力がありません。
人材の質を上げるには、待遇の改善が最も効果があります。
岸田首相が増税だ減税だと奔走している感じがありますが、そんなことしている場合ではありません。
もっと言うと、防衛増税もお門違いです。
自衛隊は人の組織です。
装備品を多く使う航空自衛隊も、それを運用する人が連動して初めて機能を発揮します。
自衛隊を精強にするには装備品ではなく、人材に投資する必要があるということを理解してもらえればと思います。
では。
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