パーリ・アビダンマ(2) アビダンマ7書について
Namo tassa bhagavato arahato sammā sambuddhassa
かの世尊、阿羅漢、正等覚者に礼拝したてまつる
アビダンマ・ピタカ Abhidhamma piṭaka は漢訳で「論蔵」といい、テーラワーダ仏教のパーリ語聖典である三蔵(Tipiṭaka、ティピタカ)のうち「律蔵」Vinayapiṭaka、「経蔵」Suttanta piṭakaに続く第三の蔵であり(注)、以下の7つの書から構成される。:
1.Dhammasaṅgaṇī(ダンマサンガニー) - ダンマの列挙、「仏教の心理学的な倫理」
人間の経験を構成する基本的で究極の精神的および物理的現象をマトリックスで説明。
2.Vibhaṅga(ヴィッバンガ) - 「分析の書」
ダンマサンガニーでの分析の説明を、スッタンタへの多くの参照を交えて、カテキズム(教学問答)として提示。
3.Dhātukathā(ダートゥカター) - 「要素に関する論説」
質問と回答の形式で18の要素の説明。ダンマサンガニやヴィッバンガと同様の物質。
4.Puggalapaññatti(プッガラパンニャッティ) - 「人間のタイプの指定」
個々の個性と人格の特性の説明。区別により、適切な教えと瞑想の対象を個別に与える。
5.Kathāvatthu(カターヴァットゥ) - 「論争の要点」
テーラワーダを他学派と区別し、その優越性を示すための質問と回答の集成。アビダンマ7書のうちもっとも新しい書とされる。3世紀BCの第3回仏教協議後にモッガリプッタ・ティッサによって編纂された。
6.Yamaka(ヤマカ) - 「ひと組みずつの書」
アビダンマの深い理解ための質問と回答。Yamakaとは「一対」「ペア」の意。
7.Paṭṭhāna(パッターナ) - 「条件または条件関係の解説」
原因/条件と結果の間で作用する力の説明。ダンマサンガニーで分析されたダンマの相互作用の法則の総合的解説。
脚注
パーリ三蔵のばあい、1.律蔵、2.経蔵、3.論蔵の順番であることに注意。
Bhavatu sabba maṅgalaṃ
すべての生ある者に幸いあらんことを。
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