【自動運転サービス実装における「お金の整理」の紹介】

みなさま、こんにちは!
自動運転サービス実装問い合わせ窓口『ジドサポ』です。

今回は、地域で自動運転サービスを実装するにあたって検討すべき事項についてお話します。

地域で自動運転サービスを実装するにあたっては、以下の事項が重要となります。
○自動運転サービスという「事業の流れ」を理解すること
○適切な主体に事業への参画を促すとともに「役割分担」を明確にすること
○実験および実装に必要となる「お金の整理」を事前に適切に行うこと

上記のうち、今回の投稿では「お金の整理」について詳しくお話します。
「お金の整理」をするなかで、どのぐらいの利用客を想定するのか、どれくらいの頻度で運行するのかなど考慮することとなるため、自動運転サービスの実装について、イメージが更に増すことと思います。

※実装のポイントとなる「お金の整理」以外の、「事業の流れ」や
 「役割分担」について、詳しくはジドサポHPをご覧ください。

では、これから以下の「お金の整理」についてお話させていただきます。

1. 自動運転サービスの実装に関係するお金について
2. ランニングコストに関する支出と収入の考え方

「2.ランニングコストに関する支出と収入の考え方」では、高齢者が多く地域内交通が不足している地域を想定して、支出・収入の考え方および収支グラフを示しているので、みなさまの地域での実装を考える際のご参考としてください。

1.自動運転サービスの実装に関係するお金について

自動運転サービスの実装にあたり、「イニシャルコスト」と「ランニングコスト」を考える必要があります。

イニシャルコストとして、インフラ整備費(道路や管理システムなど)や車両導入費などが挙げられます。
それらについては地域の負担が大きくなりますが、各種補助金を活用して整備することができます。

ランニングコストとして、人件費(乗務員やオペレータ)やシステムメンテナンス費、電気・保険代などが挙げられます。
次の項目では、ランニングコストに関して、支出・収入の考え方を、ひとつの地域を例にして示していきます。

2.ランニングコストに関する支出と収入の考え方

ジドサポHPでは、サービス実装時にランニングとして必要な費用のシミュレーションができます。
下の画像は、実際の入力画面となります。

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今回は、高齢者が多く地域内交通が不足している地域を想定して費用のシミュレーションを行います。
この地域の自動運転サービスでは、主に地域住民の利用を想定しています。

Step.1 想定利用者数の入力【収入計算】
支出・収入のシミュレーションをしていくにあたり、まず「収入計算」における、平日および休日の1週間あたりの利用者数を入力します。
地域内の住民(≒自動運転サービス沿線人口)は500人に対して65歳以上の高齢人口は200人(高齢化率=40%)と高齢化が深刻な地域を想定します。
そのうち、実際に自動運転サービスを利用して移動する方が1/10程度(実験等の1日あたりの利用実績より )とすると、約20人/日が自動運転サービスの利用者数となります。
さらに、地域内の高齢者の日常の足となるよう毎日運行することとします。
以上より、1日あたりの想定利用者数を20人とします(平日100人、休日40人)。

Step.2 運賃単価の入力【収入計算】
次に、1回乗車あたりの運賃単価を入力します。
運賃単価は、地域内の他の公共交通を踏まえる必要があります。
この地域における自動運転サービス走行ルートの並行路線を走るバスの初乗り運賃が200円(想定)であるため、自動運転サービスの運賃単価を200円/回 とします。(実証実験等の実績:平均支払意思額は100~200円程度)

Step.3 車両台数の入力【支出計算】
車両台数は最も利用が多い1日あたりの利用数から逆算します。
Step.1で1日あたりの想定利用者数を20人としました。
自動運転車両1台当たり、4人の乗車が可能(6人乗りタイプ)であるため、20人を捌こうとすると、1日5便の運行をする必要があります。
9-14時で1時間あたり1便の自動運転サービスを提供することとします。
検討する走行ルートが1周5kmとすると、30分程度で起点まで戻ることができます。(車両の最高速度19km/h、上の計算では時速10km/hとしています。)
1日あたり25kmの走行距離となるため、1台で十分に運用可能と考えられます。(車両は1回充電あたり30~40km走行可能)
以上より、車両台数は1台とします。

Step.4 運行日数の入力【支出計算】
Step.1で記述したとおり、平日5日、休日2日の運行とします。

Step.5 人件費単価の入力【支出計算】
この地域における自動運転サービスのドライバーや受付の人件費を考えるにあたり、県や市の最低賃金を参考とします。
この地域がある県の最低賃金が770円/時間 であり、1日5時間の勤務となるため、人件費単価は3,850円/日とします。
※上記以外にも、並行路線を走るバス等の運転業務の時間単価を参考に設定 することも考えられます。

Step.6 一般管理費の入力【支出計算】
一般管理費は、人件費以外の自動運転サービスを提供し続けるための経費を指すものとなります。
サービス規模や種類によって変動はあるものの、相場は10%となります。
そのため、人件費の10%と想定します。

Step.7 貨物収入の入力【収入計算】
この地域においては、郵便等の集配施設が少なく、各住戸からの距離が比較的遠くなることが考えられます。
また、高齢者が多く、移動が不便である場合、集配施設までアクセスしにくいことも考えられます。
そこで、週に1回(平日)自動運転サービス停留所で荷物を受け取り、1つの集配施設に運搬するサービスを行うこととします。
このサービスにより週に500円の収入が見込まれると想定します(1回100円で1日5人程度の利用 を見込む)。

Step.8 その他収入の入力【収入計算】
この地域では、その他収入は見込まないこととします。

以上、Step1~8に従って入力すると、以下のようになり、グラフとして見ることができます。
結果として、支出が収入より40万円程度多くなっているため、将来的に支出と収入の均衡を目指す必要があります。
○支出減の取組みとして、運行していくなかで地域ニーズを適切に把握し、ニーズが低い曜日を減便させるなど人件費の削減などが考えられます。
○収入増の取組みとして、自治体等の補助金の活用や自動運転サービス時間外のサービスの検討(デマンド運行や小中学生の通学支援等)などが考えられます。

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以上、「お金の整理」に関するお話でした。
実際に費用シミュレーションをすることで、自動運転サービスの現実見が増すと思うので、積極的に活用してみてください。
ご不明な点等ございましたら、ご気軽にご相談ください。

閲覧ありがとうございました!

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