見出し画像

12/19 ニュースなスペイン語 Catalán:カタルーニャ語

ここ数か月カタルーニャ語をめぐって、きな臭い動きが続いている。

カタルーニャ語はカタルーニャ州(Cataluña)の公用語(lengua oficial)で、言語上の分類は、スペイン語やイタリア語などの仲間だ。スペインの公用語はスペイン語だが、カタルーニャ州をはじめとするいくつかの州では、スペイン語のほかに、別の言語が公用語として認められている。このダブル公用語が、特に、カタルーニャ州では、ややこしい状況を生む。

ことの発端は、11月25日にカタルーニャ最高裁判所(Tribunal Superior de Justicia de Cataluña(TSJC))が出した判決(sentencia)による。概ね、

カタルーニャ州における教育現場では、最低でも(al menos;un mínimo)授業の25%はスペイン語(catellano)で行うこと(impartir)を義務付ける

という内容だ。カタルーニャにある裁判所だからと言って、カタルーニャに有利な判決を出すとは限らない。で、この判決がいろいろなゴタゴタを生んだ。

ひとつは、カタルーニャ州のある小学校に通うこどもの親が、我が子は授業の最低でも25%をスペイン語で受けるべきであるとの主張をしたことをきっかけに、子供や親に対する「いやがらせ(acoso)」が表面化したことだ。この保護者は、上の判決に基づく、ごく当たり前の主張をしたまでなのだが、なにせカタルーニャ州の教育現場では、わずか2%しか、この判決に従っていない(つまり、98%は、全授業をカタルーニャ語で行っている)ので、こうした主張をする人たちは、叩かれてしまう。

この子供の家に石を投げつけようか。奴らはカタルーニャから出ていくべきだ。われわれに敵意むき出しの、スペイン語至上主義者たちを、われわれは要らない(Me apunto a apedrear la casa de este niño. Que se vayan fuera de Cataluña. No queremos supremacistas castellanos que nos odian)

このようにツイッターに書き込んだ人物が、現在、「脅迫(amenaza)」をしたとして、捜査を受けている(investigado)。

もうひとつは、今週の土曜日、バルセロナで、先の判決に対して、数千人が参加したデモ(manifestación)が催されたことだ。特段のトラブル(sin incidencia)もなく、終始、お祭り雰囲気(ambiente festivo)で進められたようだが、政治家が多く参加した。

言語好きとしては、嫌がらせの原因になったり、言語が政争の具に使われるのが悲しい。

写真はバルセロナのデモの様子。横断幕には「今、そして、いつも、カタルーニャ語で学校教育を!」とある。