12/20 ニュースなスペイン語 Catalán(2):カタルーニャ語(2)
昨日に引き続き、カタルーニャ語の話。
今から8年も前のことだが、ツイッターなどに次のようなメッセージが出回った。タイトルに挙げたコカ・コーラの缶には「統一したスペイン、そして、ただ、ひとつの国旗」と書いてあるが、当然、コラージュ画像だ。そして、下には次のようなメッセージが続く:
コカ・コーラ社、よくやった!
政治的な重圧にも負けず、コカ・コーラ社はカタルーニャ語による商品表記を否定。同社の見解は「スペインは統一市場であり、公用語はスペイン語である」だ。
これは、コカ・コーラ社の「スペインは統一市場であり、公用語はスペイン語である」という解釈を故意に拡大解釈(descontextualizado)したツイートである。そして、このツイートが定期的にネット(red social)に出回り、今年も、相変わらず、散見されるという。Facebookですでに1万4000件、950回以上のリツイートがあったというから、やはり、熱狂的な統一スペイン信者が一定数いることの傍証。
こうした世の動きに、すぐさま反応したのが「Plataforma per la Llengua」という団体だった。同団体はカタルーニャ語の普及・促進するNGOだが、2013年から、コカ・コーラ社に対して、「カタルーニャ語で商品表記するよう」求めるキャンペーン(campaña)を開始した。
この団体によると、カタルーニャ州の消費法(Código de Consumo)では、「食品の消費と公共の利益とサービスについての使用について必要な情報」をカタルーニャ語で表示しなければならないと定めているという。同社の見解はこれに違反しているのではないか、との主張だ。
ここで、確認しておくけど、コカ・コーラ社は、カタルーニャ語での商品説明をしないとは、ただの一度だって言ってない。
それどころか、
我々は、もし、端的に言うならば、カタルーニャ語で商品の情報がほしいという要請があれば、これに答える用意はある(a disposición de cualquier consumidor de Cataluña para enviarle, si así nos lo solicita y a la mayor brevedad, la información acerca de nuestros productos en catalán)
とも言っている。現在の見解は、「少なくとも、スペインの公用語で(al menos, en la lengua española oficial del Estado)」表記するとしているのであって、繰り返しになるが、カタルーニャ語での表記を渋っているわけでもない。
スペインの消費省(Ministerio de Consumo)の見解も、実は、あまり変わらず、
各州の準公用語で表記されるか否かとは別に、まずは、少なくとも、スペイン語での表記が必要となる( menos, en castellano, independientemente de que se ofrezca en otros idiomas cooficiales)
なのだ。つまり、正規の手続きを経れば、カタルーニャ語での表記は不可能とは誰も言っていないし、誰もこれを否定していない。
なのに、上のようなツイートが出回り、スペイン語至上主義者たちが声高々に叫ぶ。