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snafu_2020
寂しかった、あの子
ある会で、数回会っただけのあの子。
出身大学ではとても優秀で、進学先のレベルの高さを、周囲は自慢げに話していたっけ。
会の後、偶然会ったあの子と、ホームで会話を交わしたのは、わたしの近い友人。
「寂しいんだよねぇ〜....」
と、その子は言ったんだそうだ。
そして、それを最後に、その子はこの世を去り、その会に二度と姿を表すことはなかった。
最後に会話を交わしたことが忘れられなくて、わたしの友人は、その子の葬儀に行くと言った。
「○○は?どうする?」
と、言われて、
わたしは、一瞬、間を置いて、
「...わたしは、いいや」
と答えた。
そこまで親しかったわけではないし、友人のように、ポロリと本音を聞く機会があったわけでもない。そんなわたしが、ご両親の前に友人ヅラで姿を現すのは、なんだか、違うような気がしたからだ。
それでも。
このことは、わたしの記憶の奥底に刻まれたようで、かなり時が経った今でも、そのことをたびたび思い出す。