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【検討】EVが日本で普及するためには何が必要?むしろ普及しなくてもいい?

前回、テスラのニュースに関してお話しました。
今回は、年初に見たもう一つのEVに関するニュースについてお話していこうと思います。

1月4日付けの日経新聞で下記のような記事がありました。

政府は小型の電気自動車(EV)を数分で充電できる高出力充電器の普及に乗り出す。出力が高い機器の設置や取り扱いに関して適用している規制を2023年をめどに大きく緩め、低い出力と同じ扱いにして利用しやすくする。日本は充電インフラの乏しさがEV導入の壁となっている。自動車産業の競争力を高めるためにも、国内の環境整備を進める。

EV急速充電器、規制緩和
設置容易に、年内めど 数分で長距離走行も

2023年1月4日日経新聞

いくら高性能の車でも、道路が舗装されてなければ早く走れないのと同じで、EVもインフラ設備が整わないと普及しづらいのは当たり前。そしてインフラというのは民間に任せていても普及しないことが多いです。(道路の舗装化は民間に任せていても進まなかったでしょう。鉄道の敷設も、民間の任せていたら進まなかったでしょう。)なので、この記事にある通り、ある程度政府が音頭を取って普及を図ったほうがよいと感じます。

しかし一番重要なのは、急速充電はあくまで遠出の際の「応急処置」であり、メインの充電ではないということです。

ではメインの充電とは何か?これは家や職場での200Vでの充電のことです。この場合10時間以上の充電時間を要することもありますが、家や職場を出るときには満充電となっている。EVはこういうスマホライクな使い方と最も相性が合うと思います。

もちろん、急速充電の普及は必要です。しかしそれ以上に、戸建てに住む人の割合が少なく、戸建ての駐車場以外に車を停めてることが多い日本では、職場の駐車場や月極駐車場、集合住宅の駐車場への200Vの通常充電の普及が不可欠だと思います。そしてそのための助成(充電器を規定の割合以上設置した企業への優遇措置など)に今以上に力を入れていかなければならないのではないかと思います。

その上で、そこまでしてEVを普及させる必要があるのか?

こんな疑問を感じる方もいるでしょう。その答えはイエスです。なぜならば、EVは世界各国が国策として推進するものとなってしまっているからです。

いくら現地生産が増えたとは言え、現在の日本の輸出産業で自動車産業ほどインパクトがあり国を代表するものはありません。ここで国内の疑問の声(例:EVは発電割合に火力発電が占める割合が多い日本だとかえってCO2排出を増やす。寒冷地ではEVは不向きだ。充電に時間がかかりすぎて不便だ。急速充電もEVが増えるとそれによって充電待ちが発生する。水素の方が良い。)に押されて、EVの本格普及への移行を疎かにすると、必ず世界市場で存在感を失います。

自動車産業は日本が誇る国の宝とも言えます。危機感を持って、官民をあげてEV化への移行を促進してほしいと思います。


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