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#3 ファンレターシーンの演出について
<2021年10月11日配信>
「底なし子の大冒険〜舞台作りの裏側」のLINE公式メンバー限定で配信されているボイスメッセージを、文字起こししてお伝えしています。
(渋谷悠さんの許諾を得て公開しています)
そもそもなぜ、ファンレターがたくさん届くシーンを入れたかったか、
書きたかったかというところからちょっと話そうと思うんですけれど。
この主人公は、幼少期に褒められたことがないというのをどうにか表現しようとしていまして。
ファンレターって、褒め言葉とか応援の言葉とか、基本的にポジティブなことしか描かないですよね。
そのせいでそれを受け入れることができないっていう描写を入れようとしてます。
なので、ファンレターを担当の編集者が、はづきに持ってくるんですけれども、
「もう、要らないって言ったのに」
って言って。
でもまあ担当編集者はもちろん置いていきますよね。
で、ファンレターの束を、なんか置いていかれたからやっぱり開いてしまうと。
そこを映画だったら、その内容のアップとかを撮ることができるかもしれないんですが、舞台は基本引きで見せるからどうしようかなと思って。
また、たくさん届いている感じをやりたかったので、奥に3人か4人、
読んでいる人を登場させて、で、内容を単純にセリフで言ってもらおうと思うんですけれども、
それを細かく切って、ファン1、2、3か4ぐらいいて、
文章の部分部分をその順番をランダムに、
1、2、3、1、3、2、4っていうふうに、
行ったり来たりしながら言っていくと。
その主人公がその言葉を受け入れられない感じも見せたいので、
例えば「先生の本から勇気をもらいました」みたいなフレーズがあったら、
それに対して何か言い返してしまうような。
だから、絵としては読んでいる文章に対して、何かこう毒づいてしまっていることが起きているんだけれども、演出としてはそういう人たちが後ろに何人かいて、セリフとして言ってくれる、そういう感じにしようかな、と。
「先生に勇気をもらいました」
って言ったら、
「返してほしい」
とか。
そういうふうにして、対話してるように見える演出をちょっと考えてまして。
今日、例文とかいくつか調べたんですけど、ファンレターって最後に
「ご自愛ください」
とか、
「お体に気をつけてください」
とか、
「応援してます」
とか、そういうすごく気遣ったフレーズで終わりますよね。
で、やっぱり自分のことを大切にされないで育ってしまった人間に、こういうのは全部イライラするというか、むずがゆいというか、そんな感じに見せられないかなということを考えていまして。
なので奥に立っている人たちが、
「応援してます」
「ご自愛ください」
をひたすら言い続けるシーンにして、それを
「うるさいうるさいうるさい!」
って言って、ビリビリファンレターを破く。
で、破いた瞬間に、みんながふわって消えるみたいなことをちょっとやれたらなと思いまして。
で、序盤でこの人の心理状態とか精神的にどういう人なのかなっていうのが、
なるべく短い時間で見せようと、そういう序盤の印象的なシーンになったらなぁと思っています。
連日、格闘中で、格闘しながらこんなことを書いていますが、
引き続き応援よろしくお願いします。
<終わり>
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— 渋谷悠(Yu Shibuya)ベネチア入選・エミー賞ノミネート、サンダンスフェロー (@yshibu97) September 27, 2021
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