見出し画像

#31 命を救う断熱

 こんばんは。脱炭素マニアな地方公務員・梅木です。
 「うめちゃんは、なんでそんなに断熱のことになると熱くなるの?」とたまに聞かれます。今日はなぜそんなに断熱にこだわるのか、その理由についてお話ししたいと思います。


1.母の死

 かれこれ20年近く前になりますが、私の実母は55歳の若さで亡くなりました。
 死因は、自宅浴室での溺死(事故死)です。
 当時は気づかなかったのですが、断熱の勉強をすればするほど、ヒートショックが原因だったのではないかと思うようになりました。
 日本でヒートショックが原因で亡くなられる方は、年間1.9万人にのぼると言われています。一方、交通事故で亡くなる方は、技術の進歩とともに段々減り続けていて年間3千人を切ってきましたから、その約6倍ですね…。

家庭内事故死者数と交通事故死者数の推移

 私の実家は昭和50年頃に建てられた木造家屋。
 ほぼ無断熱の家なので、浴室はとても寒く、起こるべくして起こったということかもしれませんが、まさか母を亡くした要因が、自分の携わる建築業界にあったとは…。
 これが、私が断熱を普及させたいと熱く語る根源なのだと思います。

2.断熱すれば、健康・快適になるの?

(1)血圧上昇を抑える効果

 近年、高断熱住宅での健康に関する医学的なエビデンスが多数発表されています。
 特に、血圧上昇抑制などに関する知見がたくさん出ており、国の定めている循環器疾患予防のための血圧減少目標にも、「住まい分野」の追加が検討されています。(資料1参照)
 今までは、「食生活」や「身体運動」、「多量飲酒者の減少」、「降圧剤」による対策で▲4mmHgを目指そうというものでしたが、住宅の断熱化を行えば、それら全てと同等以上の効果が期待できるかもしれません。(資料2参照)

ここから先は

1,370字 / 6画像
この記事のみ ¥ 500

この記事が気に入ったらチップで応援してみませんか?