見出し画像

#10 日本でZEBが増えない理由とは?

 こんばんは。脱炭素マニアな地方公務員・梅木です。
 4/7の第1話「#2公共施設の断熱化はなぜ必要なのか?」に引き続き、公共施設のZEB化についてお話していきたいと思います。
 第1話を、まだ読んでいない方はぜひコチラからどうぞ。
https://note.com/jichi_fm/n/n827b0ba7a0ef


1.日本でZEBが増えない理由

 前回お話ししたように、ZEB建築は、快適な生活空間をお得に得られるはずなのに、なぜ日本では普及していないのでしょうか。

【出展】ネット・ゼロ・エネルギー・ビル実証事業調査発表会2023資料

 #7の記事で紹介されたように、セミナー講師の金田さんは、日本のZEBの問題点として、①エネルギーが駄々もれな断熱性能の低い建築を、無理やり空調してしまう「無理ZEB」と、②省エネ計算が計画・設計プロセスにうまく活用されていない「無理ZEBワークフロー」があると整理されていました。
 今回は、もう少し分解して、4つに分けて日本でZEBが増えない理由を考えてみたいと思います。

1.日本でZEBが増えない理由
  <「無理ZEB」関連>
  ①   日本の省エネ基準は抜け穴だらけ
  ②   日本の窓の性能は、世界標準から遅れている
  ③   設備の省エネ性能に頼るいわゆる「メカZEB」
 
<「無理ZEBワークフロー」関連>
  ④   メカZEBが出来上がる、専門化・分業化された設計プロセス

では、ひとつずつ見ていきましょう。

ここから先は

4,153字 / 3画像
この記事のみ ¥ 500

この記事が気に入ったらチップで応援してみませんか?