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動物園に行ってみよう! part 2

 ひとひらの 桜の花の 咲き咲きて…

動物園の東側に、南北に延びる路地裏がある。その南に下る坂道を、1人歩いている。

路地裏を挟んで反対側は、私の通った母校だ。その当時は、1学年800人位で、3学年合わせると、2400〜2500人位のマンモス校だった。

ひとひらの 桜の花の 咲き咲きて…これは、母校の校歌の出だしのフレーズだった。

卒業して50年経つのだけど、歌詞が短歌(31文字)のようだったので、今も覚えている。

simple    is     the     best 

校門の傍を通りながら、何故か 横文字が、思い浮かんだ。

学校の雰囲気

当時は、生徒数が多かったので、様々な学科があった。

婆ちゃんは普通に、【普通科】に入った。他に学科は、色々あった筈なのに…

婆ちゃん自身がそうだったのか、世間の風潮がそうだったのか分からないけど、普通が1番見たいな、普通でいいよみたいな…

目に見えないベールで上から押さえつけられるようで、はみ出してはいけないような、感覚があった。

他の学科でたまに、髪型や服装でスゴイ人達がいた。型に収まりたくない、他の人とは、違う事を示したい。とか内なる叫びのようなものを感じた。

それでも学校生活はそこそこ楽しかった様な気がする。天然な性格(クラスメイトが言っていた)だったからか…

全学年共通英単語テスト

ある日全学年に、A4 の厚い英単語本が配られ、覚えるように言われ、全学年共通英単語テストが一斉に行われた。(単語本の出だしは、a  で abnomal   異常な)だった。

婆ちゃんは、テストにどの単語が出ても書けるようにと思い、丸暗記した。(それこそ abnomal  異常だ。)

昔は校内で、成績表が貼り出されていた。

担任は、英語教師だった。クラスの生徒の成績が良くて嬉しかったのか、教卓に新書本を3冊並べて、3人に好きな本をあげます。と、にこやかに言われた。

私が選んだ本は、畑正憲著の「ムツゴロウの 青春記」だった。北海道での動物達の暮らしが書かれてあった。

ある夏の匂いの思い出

3年生の夏、爽やかなそよ風が、全開している窓辺から、吹いていた。

婆ちゃん達のクラスは、すぐ西隣に動物園のキリンの動物舎があった。

そこからたまに、キリンが頭を覗かけているのが見えた。

そして、動物たちの何とも言えない匂いも一緒にそよ風は、連れて来た。


もう少しで動物園に着く。婆ちゃんは、この狭い路地裏を通るのが好きだ。

50年も前の高校生だった頃を、動物園の動物達の匂いで、様々な出来事を思い出す事が出来る。

だから、「動物園に行くのが好き」と思えるのだろうか?

婆ちゃんは、この動物園の年間パスポートを持っている。

到着した。

さあ〜動物達に会いに行こう。会えるのが、楽しみだ〜

















今は少子化で、制服もおしゃれで、生徒も何だか真面目そうに見える。

婆ちゃんの子供達は、その学校に行かなかったので、学校の情報も全く入って来ない。

学校の校歌も、時代に合わせて変わっているのだろうか?






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