見出し画像

垣根のない心

先日、息子のオーダー靴(装具)を受け取りに 隣町まで電車で行った。
駅にはエレベーターが設置されていて 足が不自由になった私は
もっぱらエレベーターを利用している。
その日は 休日だったので 電車も混んでいた。
慣れない人も多くて キョロキョロしている人も多かった。
そんなに大きな駅じゃないけど 違う街から来た人には どこだって迷路だ。

「スミマセ〜ん。」という声と共に 英語が聞こえてきた。
「開けていて貰えるか?」と言ってるな、と思ったので「オフコース」と
答えて 発音が悪いなぁと思った。
アジア系の男性が 重そうにダンベルとベンチを抱えている!!
「ベンチプレス?」と聞くと 「そう😄」と 笑顔。
「どこへ持って行くの?」と聞いたら「新しい住まい」 あ〜なるほど。
「学生さん?」と聞くと 「大学へ進学した!」と嬉しそうに答えた。
「すごいね。頑張って!」というと「あなたは 英語を話すだけじゃなくて
 僕が外国人でも全然OKだった。心が外国の人、ですね。」と言われた。

心が外国の人、かぁ。
世界中の人と 友達になりたいと思っていた 10代。
コスモポリタン、と言う言葉に憧れていた 20代。
留学するという夢は 叶わなかったけど 外国人の友人は 多かったな。
それぞれ結婚して子育てしてるから 今はクリスマスカードくらいしか 
繋がってないけど。

夫と息子が 改札の向こうで待っていた。
ベンチとダンベルを持った彼と「じゃ〜ね〜」と別れたのを見て
息子が「お母さん、英語人(えいごじん)じゃん!」と言っていた。
英語人、って なに、それ。
「僕、英語人には 成れないなぁって思う。」と言うから 
「その年で 諦めるのは 100年早いわ!」と言っておいた。

いいなと思ったら応援しよう!

四葉と話すネコ
サポートありがとうございます。自分の時間をゆっくり作り出すために、遠慮なく使わせて頂きます🙇‍♀️。