長寿祝いにメッセージをプレゼント
私は以前、老人介護施設に勤めていました。
そこは150人の方が入所されていて、誕生日のお祝いも職員で行います。
その時に印象的だった出来事を思い出しました。
長寿番付
お住まいの地域で東と西に分かれて、100歳を越える横綱を筆頭に大関、関脇小結、前頭と順に掲載されます。
実は100歳越えの方って1人とは言わず数人いらっしゃるんです。
その中の大関も90代後半で100歳目前の方が多数名。
毎年、敬老の日に貼り替えて長寿祝いを行います。
私が印象に残っているのは、100歳を越えているようには到底見えないお元気な東の横綱の誕生日祝い。
私はその方を担当だったので、定期的に認知症検査を行っていました。
ちょうど誕生日がその検査の日だったので、訪室してお話ししていると突然
「今年はもう誰も祝ってくれんだろうね」
と言われたのです。
なぜそう思うのか聞けば、
「親も子も友達もみーんな逝ってしもうた。長生きなんかするもんじゃない。だーれも見送ってくれる人がおらん」
と。
確かに、その年はちょうど娘さんが亡くなられて落ち込んでいるので配慮をと他の職員からも聞いていました。
今日の誕生日祝いも長寿祝いも嬉しくない。
そう悲しげな表情で呟いていました。
私がお祝いします!と言ったものの、どう返せばよかったのか正解がわからず自分の不甲斐なさにモヤモヤしたのを覚えています。
ご家族からのサプライズ
そして、誕生日会の時間。
基本的に職員と利用者だけのイベントのはずなんです。
でもなんと、その方のお孫さんとその旦那さんとひ孫さん達の総勢10人の一族がずらーっ!
「お母さんがおばあちゃんに渡してほしいって言ってたものがあったから、みんなで来たよ!」とお孫さん。
渡されたものは娘さんの日記でした。
その日記は娘さんがお母さんに向けてのメッセージを書き綴っていたものでした。
今年の誕生日にプレゼントしようとずっと書き溜めていたそうです。
入院前に娘さんからお孫さんが託され、誕生日まで大事に保管してくれたとのことでした。
渡された時の嬉しいような、それなのに崩れ落ちてしまいそうな、なんとも言えない表情が今でも忘れられません。
それから、その方の部屋に伺う度に何度も何度も日記を見せてくださいました。
これまでにもらったプレゼントの中で1番嬉しかったと。
長生きするのも悪くない。
本当に嬉しそうにおっしゃっていました。
100年、一世紀ですよね。
それまでの人生にもさまざまなものをもらってきたと思います。
それでも、娘さんからもらったメッセージがなによりも嬉しいと。
言葉にはとてもすごい力が込められています。
あなたも長寿祝いにメッセージをプレゼントしてみませんか?
長寿祝いに自分史サイト
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ずっと残るしいつでも誰でも見ることができる自分史サイト。
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