コロナ自宅療養記
PMSと免疫力低下
それは、先週のことだった。
私は、旅行支援を受けるため、抗原検査を無料で受けた。陰性だった。
もうすぐ生理前だから、体温は高めだな、と感じていた。特に風邪の症状はなく、平熱だ。
「免疫力が下がるときだから、風邪を引かないように気をつけよう。」
そう思っていた。
旅行から帰ってきて、特に体調が変わることもなく、しっかり感染対策をして、帰路についた。
「明日からまた仕事だぁ。」
思わぬ電話
月曜日、私は学校で働いているので、講師の先生と関わる機会がある。子供達は、その講師の先生とも楽しそうに学習に取り組んでいる。
何も異変を感じることなく、その日を過ごした。
火曜日
ここのところ、声枯れが気になっていた。
「そろそろ喉の痛みが出そうだな。」
と思ってはいた。
しかし、コロナ陽性の話も聞かなくなり、帰宅してすぐシャワーを浴びることも、すぐ鼻うがいをすることもなくなってしまった。
水曜日
今日は午後から研究会。
子供達を早く帰宅させないと。
そう思っていた。
給食を食べようとしたとき、飲み込めないことに気がついた。
「急に喉が腫れちゃったな」
という程度だった。
結局全部食べることができず、食缶を返却した。
その後、下校の指示をし、研究会の教室へ向かう。
「何だか体が熱いような気がするけど、寒気がないから高熱は出ていないでしょ。」
そう思った。
元々インフルエンザによく罹る方で、高熱の経験は豊富な方だ。
何とか凌いで、終わったらすぐ帰って、すぐ鼻うがいをしよう。
そう思っていた。
授業が終わり、検討会が開かれた。
実は、授業を見ている時から多少なりとも体のきつさを感じていて、座りたいなと思うほどだった。
けど、「いつもの調子ならこれぐらい大丈夫でしょ。」と思い、気にせず過ごしていた。
ただ、グループ協議を始めたあたりから、だんだんみんなの話がどうでも良くなってきてしまって、早く帰りたいな、と思っていた。
首のあたりが、かなり熱い。
熱っぽいなぁ、と思いながらも、最後まで我慢して過ごした。
何か薬はないかと探したけれど、ちょうど持ち合わせていなかった。
このときに葛根湯があれば、この後少しは違っていたかもしれない。
水曜日の夕方
全ての用事を済ませて帰ろうとすると、私宛に電話が鳴った。月曜日の講師の先生からだ。
「陽性だと判明したので、来週の授業はお休みします。」というものだった。
いつもお世話になっている先生なので、「大丈夫ですよ。」と励ましの言葉を掛けた。
その後家へ向かう道すがら、だんだんと体調が悪くなっていくような気がした。
ただ、ここでもまだ寒気がしなかったので、解熱剤で何とかなるだろう、ぐらいに思っていた。
帰宅後
とにかく喉が腫れている気がしたので、お粥を1合炊いた。幸いにも食欲がかなりあったので、たまご粥にして平らげた。
主人には、帰宅をずらしてもらうことと、夕食は自分で済ませてきてもらうことを伝えてあったので、いた場所に念のため消毒スプレーをかけ、寝室に向かった。
「やっぱり学校で働いているから、早々にインフルエンザに罹ったかな。」
と思っていた。
体温は37.8℃。
平熱が36.6℃ぐらいなので、まぁちょっと微熱かなぁなんて思っていた。
そこからが、大きな間違いの始まりだった。
水曜日の夜
私は普段から漢方を好んで買うほうだったので、家にはやたらと色んな種類の市販の漢方薬があった。
「手足が熱いとき、発熱」と調べると、麻黄湯が適用のようだった。
初めて使ったので効果は知らなかったのだが、不思議と汗が出ない。
「私の体、どうしちゃったのかな。やっぱり生理前だから、いつもとちょっと違うのかなぁ。」
そんなことを考えていた。
ベッドで横になっていると、熱が下がる気配がない。
麻黄湯を飲んだら熱が下がると思い込んでいた私は、少し焦り始めた。
「明日は休みますって、連絡しなきゃ。」
でも、朝になったら治っているかも…と期待して、就寝した。
木曜日の明け方
体の熱で、目が覚めた。
朝、シャワーを浴びてから学校に行こうと思っていたけれど、とてもじゃないけど無理だとわかった。
今日の予定を学年の先生に連絡し、準備してもらうこととなった。
「こんな予定じゃなかったんだけどなぁ。」
このとき、まさか自分が陽性だとは疑う余地もなかったのだ。
地獄の木曜日
ここから、私の体の状態チェック、それに合わせた漢方薬服用と、休養の過密スケジュールが始まった。
朝は比較的調子が良いのか、熱が38℃程度あり、手足が冷えていなかったので、銀翹散を服用した。
何だか頭も痛くなってきていたし、丁度いい、と思っていた。
ただ、問題が1つあって、食料を何も持っていなかったのだ。
主人とは既に住居している階も違って、隔離されたスペースにいたので、主人は仕事に出かけていた。
ここまで調子が悪いことも伝えていなかったので、急いで連絡をした。
「食べるものは何もないけど、とりあえず薬を飲もう。」
相変わらず、首、胸、脚の付け根が熱い。
けど、汗が出ない。
高熱に耐えるのも、だんだん辛くなってきた。
「麻黄湯も銀翹散も体温を下げるはずなのに、下がらないなぁ。」なんて呑気に考えていた。
ここで葛根湯を飲んでいれば、とも思うのだが、このときはあまりにも高熱と頭痛に耐えられず、ロキソニンプレミアムを飲んだ。
すると、汗をかき始めたので、少し安心した。
このとき葛根湯を飲んでいれば、もっと熱は上がり、もっと汗をかいていたことでしょう。
勿体無いことをしました。
熱は下がったとはいえ、37℃。
何かがおかしい。
いつもなら、このあたりで平熱に戻るはず。
違和感を感じていた。
発熱している人は病院で診てもらえないことをあらためて知り、オンライン診療をお願いすることに。
ファストドクターというアプリで相談にのってもらったが、「漢方薬は使わないからわからない」、と言われた。
「上気道炎ですね」とのこと。
このときリンパが熱いことなども伝えたが、問題視されなかった。
トラネキサム酸が欲しかったけど、在庫切れで、当日は届けられないとのことだった。
トローチとアセトアミノフェンなら送れると言われたけれど、配送料がかかるので、少し考えることにした。
「とりあえず、何で熱が出ているかはっきりさせよう。」
主人に、帰り道に抗原検査キットや、陽性じゃなくても治るまでしばらくかかりそうだと思ったので、卵豆腐など、喉が腫れていても食べられそうなものを買ってきてもらうようお願いした。
この後も主人の献身的な供物は続き、先日悪口を書いてしまったブログは閉じようと思った。
こういうことで、バチが当たったのかもしれない。
そんなことを思いながら眠りについた。
1時間ほどして、目が覚めた。
またもや体が熱くて辛い!
「いくらウイルスとたたかっているからって、耐えられそうにない!」←予備知識
そう思った。
主人にも、早く帰ってきて、と何度も連絡した。
たくさん買い物を頼んだくせに…
ようやく主人が帰宅し、ゼリーやたまご粥豆腐など冷やすものは発泡スチロールに、グリーンダカラや水などの飲み物はダンボールに、ゴミ袋や割り箸、紙コップ、紙皿などの使い捨て容器を準備してもらい、戦闘体制が整った。
ちょうどそのとき、痰を出すとともに鼻水が垂れてきたので、検査キットを準備した。
1週間前は、陰性を確認するために無料で検査をしに行き、これでいつでも自分でできますね、と言ってもらったすぐ後に、このような形で検査をすることになるとは。
結果はもちろん陽性。
濃い線が、一瞬で現れた。
どれだけウイルスが増幅しているのかと、少し怖くなった。
周りの人からしたらやっぱりね、という感じもするだろうが、私はとても驚いた。
いつ、どこで罹るかはわからないし、旅行に行った家族にうつしたのか、講師の先生は私からもらって陽性になったのか、職場のみんなや子供たちはうつってないだろうか、色んなことが頭をよぎった。
今のところは私だけ発症しているようだったので、安心した。
けれど、こんなに急に熱が出るとなると、どこにも撒き散らさずに家に帰るのは難しそうだ。
銀翹散を飲み、何だか効かないなぁ、と思い始めていた。
さらに地獄の金曜日
睡眠時間はたっぷりとれるはず、と思ったが、漢方薬の効果が切れると途端に痛くて目が覚める。
銀翹散→ロキソニンプレミアム→五虎湯のループでとりあえずつないだ。4時間ほどすると、どれも効き目がなくなり、喉→頭→胸と痛い。
いつになったらまとめて眠れるのだろう…
いつ何を飲んでいるか、自分でもだんだんわからなくなっていった。
iPhoneなので、ヘルスケアアプリに服薬記録を登録。
このあたりから、リンパ節を冷やしても体が辛いと思うようになっていった。
けれど、ロキソニンプレミアムを飲んでも、なかなか効かない。
何かが違うとは思っていたけれど、相談する相手もいなかった。
喉の痛みがひどくなってきたので、ハナノアとトローチを追加した。
その一時は良くなるが、改善が見られない。
口の中は薬で真っ白になっていき、仕方がないので歯磨きをした。
鼻水と痰はスムーズに出ているが、このあたりから色がつき始めた。
体の様子が変わってきた気がした。
朝、みかんをたくさん食べてしまったからか、喉がかなり痛くなってきた。
ほとんど食べられない。
沈黙の土曜日
朝目覚めると、喉が腫れていた。
熱は下がってきたようで、37℃だった。
銀翹散を、桔梗湯に切り替えると、腫れが引いていくような気がした。
首、胸、脚の付け根は相変わらず熱い。けれど、少し冷めてきたような気もしていた。
そこからが、沈黙の始まりだった。
水曜日は、喉がきれいだったのだが、木曜日には咽頭後壁に赤い斑点が出てきて、金曜日には口蓋垂に内出血しているような大きな点があった。
以前、こうなるまで放置してはいけませんよ、と言われたことがあった。
放置していないのに、できてしまった。
どこかで間違ったんだ、と思った。
その後、待てど暮らせどのどの痛みはなくならず、ついに水も飲めなくなった。
窒息しないか観察するように、と書かれた記事があったので見てみたが、扁桃が腫れぼったい、というぐらいだった。
もうこのまま治らないのかなぁ。と、悲しい気持ちになった。
夜、主人がガリガリくんと蜂蜜をドアの前に置いてくれた。ガリガリくんなら食べられることがわかり、ほっと安心した。
さらに、蜂蜜はものすごく喉が痛かったけれど、殺菌したいという思いで頑張って飲み込んだ。
辛い夜だった。
もうロキソニンも効き目がなくなってしまっていたので、飲むのをやめた。飲んだり食べたりしなければすごく楽で、このまま死んだ方がマシだ、と思う人もきっといるだろうと思った。
ここで、大きな間違いに気づいたのである。
後悔の日曜日
どうしても痰が出てくるので、その度に歯を食いしばって水を飲んでいた。
ふと、顎の下を押さえながら飲むと、痛みがないのだ。
どういうことだろう?と探っていくと、顎の下、首から鎖骨の乳突、脇、脚の付け根は初日からずっと熱をもっていて、ずっと体温が37℃から下がっていないことに気がついた。
もしかして、と思って調べてみると、リンパ節炎だったのでは、ということに行き着いた。
葛根湯は風邪の初期に効果がある薬だから、もう遅いだろうと思ったのだが、今も初期にあたるらしい。そんなことすらも知らなかった。
葛根湯が首のリンパ節炎に有効だという記事があったので、飲んでみることにした。
思った通り、熱っていたところが燃えるように熱くなってきたのだ。
さらに調べてみると、咽頭後壁もリンパ節があり、ようやく痛い原因がわかった気がした。
その後、首の後ろや側頭部も熱をもち、ようやく最後のウイルスと戦い始めることができそうだった。
土曜日の1日、何て無駄な時間を過ごしたのだろうと思ったし、葛根湯の新たな使い道を発見でき、本当に良かった。
オンライン診療の先生がどんな先生かはわからないが、葛根湯は使ったことがあると言っていた。
リンパ節でウイルスを止めるためにこんなに長いこと戦うことを知らず、最初から首の表皮が燃えるほど熱ければ、ウイルスはさっさと死滅していたのかもと思うと、本当に勿体無い時間を過ごしたと思う。
インフルエンザの場合は関節炎が起こるため、麻黄湯を使うようだ。
そこも自分で間違えないようにしていかないとあけない。
ただし、コロナウイルスの特徴としては急にウイルスとの戦いが始まることのように思う。
そうなると、喉が腫れてから葛根湯を飲んでもたぶん間に合わない。
違和感があるなと思ったときには、一袋飲んでみて、やけに燃えるように熱いところがないかを探っていくのも大切かもしれない。
まとめ
まだ喉は痛むが、大分良くなってきたように思う。
痛みがあるためうまく眠れないが、痛みが取れたらしっかり睡眠をとろうと思う。
今回も、痰と鼻水は止めなかったが、喉が痛むようになってから痰を出すのもかなり辛く、耳まで痛くなった。
当初処方される予定だったトラネキサム酸、アセトアミノフェン、トローチでこのように回復できていたかは謎だが、漢方を使うことで後遺症は防げたのではないかと期待している。
今は体が辛すぎて仕事のことも考えられないが、来週の初めは部屋や寝具、食器等を除菌したり、お風呂に入ったりしたいものだ。
発症から7日目に解除になってもまだウイルスは出ているらしいので、体調が悪い人には近づかないよう気を付けていきたいと思う。
また、コロナが流行り始めて初めて風邪を引いたので、どうしていたかすっかり忘れてしまっていた。
今後、またこのように感染することがあれば、読み返したいと思う。
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