必読!「そもそも問いを持つってどういうこと?」【問いのブラッシュアップ会】
こんにちは。
Jラボ事務局のゆりあです。
9月2日に問いのブラッシュアップ会をオンラインにて開催しました。
今回のメインは、昨年度参加してくれたJラボ2期生と長野県立大学の大室先生との鼎談です。
その様子を文字でもお伝えできたらと思っています。
私のJラボ経験①~問いから距離を置いてみる
かなう:自己紹介と去年どんな問いを持っていたか教えてください。
みなみ:ユニットCで活動している小野みなみです。去年Jラボに参加し、今大学1年生です。
8月のサマーキャンプ後に立てた問いは、「ドーナッツを穴だけ残して食べるには?」という本から影響を受け、「ドーナッツを穴だけ残して食べるには?」にしました。答えが見つかるんじゃないか、とワクワクしていたけど難しかったです。問いを立てたからには答えを出さなければという考えに囚われて、授業の合間などに「考えなきゃ」という焦りの中で無理くり絞り出した感じでした。でもそれはしっくり来ず、しんどさを感じるようになったので、一旦考えるのをやめて休憩しようと思いました。
そのきっかけは、「正解がない」とJラボのどこかで聞いていて。正解がないなら正解を出さないのもありなんじゃない?答えなくてもいいんじゃない?と思って問いを考えるのをやめました。
でも、学校のクラブ活動をしていたときにぽっと問いに対する答えらしきものが出てきたんですよね。考えていたわけではなくて。ほんと不思議なもので、感覚としては降りてきたって感じなんですけど。それがピタッとハマって、答え出さなきゃ、ではなくてもっと問いたい!と思うようになりました。出てきた答えに対して問いて、また出して、問いて…。問いたいというより、「問いてしまう」という感覚になったんですよ。
大室先生:向こうから近づいてきた?
みなみ:あ〜、そうですね。「問いたくなる」「無意識に次に行きたくなる」という感じですね。
なんで問うの?え、問いたいから。
確かに思考が深まるとか、自分のことがわかるようになるとかもあるんですけど、それは後付けで、「楽しいから、気になっちゃうから問いてしまうんだよね。」となりましたね。1年やって、「楽しい!面白い!」と感じるようになりました。楽しいから、今年も続けられたし。楽しいことはやりたいですね。
私のJラボ体験②~問いと向き合うことは自己理解
かなう:次は、かおるくんに「どんな問いだったのか?」「3月何を感じていたのか」聞いてみたいと思います。
かおる:昨年度参加者の山本郁です。「自分を知るためには?」という問いで、問いに対する答えは出ませんでした。
出さなかったに近いのかもしれないんですけど。答えを求めるっていうよりは、この問いを探究する姿勢を追い求めていて。みなみさんは、一旦離れて答えが出てきたと思うんですけど、離れて近づかなくなった、というのが僕です。
答えを出すのではなく、いかに取り組んでいくかということが重要なのではないかと思い、向き合っていました。回答としては、「一歩とは言わずとも、半歩でもチャレンジしていくことが大事だろう」ということを導き出しました。自分が何者かということは知ることができなかったんですけど、この問いに取り組んだプロセスは確実に自己理解へ繋がっていると思っています。
自分の人生、自分で考えようよ!
かなう:問いを持つってどういうことですか?という問いでしたが、2人ともそれぞれの問いとの距離感がありましたね。ここで大室先生にお聞きしたいのですが、問いを持った先にあるものってなんだと思いますか?
大室先生:長野県立大学の大室といいます。
そもそもJラボをやりたいなと思ったのは、高校生が受動的に、何も考えずに「先生に言われたから」とかで進学とか就職を設定しているなと長野に来て改めて感じたことですね。
僕は長野の出身じゃないんですが、そこに違和感がありました。もっと自分の人生自分で考えた方がいいよね。というところから始まっています。
例えば、あんまりいい例とは思わないですけど、ドイツだと中学生の段階で将来を選択しているわけじゃないですか。大学の先生がこんなこと言っちゃいけないのかもしれないけど、大学が全てだと全然思ってないんですよ。職人になりたいとか、お酒つくりたいとか、前、長野県に仏師になりたい子もいました。成績がいいから理系とか、それもすごく受動的ですよね。
もっと自分の人生自分で考えようよ!というのがスタートのときの思いです。
全身を使って問いを出す
大室先生:初年度すごく面白かったのは、「なんで僕は普通科なんですか?普通になりなさいってことですか?」という問いを立ててくれた子がいて。ある意味なんでもいいんですよ。
答えがなくてもいいし、あってもいいし。問うことがすごく大事。それを習慣化してほしいんです。
文理横断•融合教育など、人文系を見直す動きもありますが、今役に立つかどうかではなく、物事の奥にある深いところを問うてほしいなと思って、問いを立てるということをJラボではずっとやってきています。なんで?とか疑問に思うとか、なんでネガティブっていけないの?とか、考えた方が楽しいし面白いし。
考えることは頭も使うし、動いてみないと問いは出てこないので体も使うんですよ。ラーニングジャーニーや、対面のイベントをやるのは、頭も体も使いながら、自分なりに疑問に思うことを見つけて深めていくためなんですよ。明日は今日と違う問いでもよくて、考えたことを先生とかご両親にぶつけてみてください。
曖昧さを埋めるのが哲学
大室先生:問いを立てるって哲学的な話なんですが、経営者って哲学を持っていないと経営できないんです。人が動くってことは曖昧だから、その曖昧な中でやっていかないといけないんですよ。その曖昧さを埋めていくのが哲学なんですよね。
みなさんの人生の中でも、曖昧じゃないことってないと思うんですよ。大学に行ったら必ずハッピーになるかなんてわからないし。だから、「自分はこういうのが好きだから、こう生き方をします」とか「気になるからやります」とするしかない。曖昧さに対して自分なりに考えて、自分の大事にしたいポイントを見つかながら曖昧さを埋めていく。それを言い方変えると哲学なんですよ。
だから問いを立てる力ってめちゃくちゃ必要だし、自分なりのポリシーとか大事にしたいことを持っていないと大人になってもしんどいんですよ。
さっき言ってくれたけど、別に答えを求めているわけじゃなくて、問いを立ててそれに対して自分なりの今の結論を重ねてみるとどうなるのか。でもそれだけだとまた新たに問いが出てきて、それをさらに重ねていってみてほしいんですよね。それが考えることです。
みなみちゃんが言ってくれていた「降りてくる」という言葉。それはなんらかの関心があるから降りてくる。関心がなかったら絶対に降りてこないんですよ。自分が今どこに関心があるのかを気にかけていることも大事です。
「問いといること」は、人生で大事にしたいこと
かなう:ありがとうございます。みなみちゃんとかおるくんに同じ質問をしたいと思っていて。去年の問い、または問うことについて、4月からの大学生活にどう影響していますか?
みなみ:持っていた問いとは全然関係ないんですけど、思考することをやめない、というのが大事だなというのは思っています。
考え続けるっていうのは人間大事だなと思いましたね。子どものなんでなんで期ってめっちゃ大事だなと。もともと人間に備わっているなんで?って思って考えてみることを大人になっても大事にしたいなと思います。指針にしたいなと。(笑)
かおる:Jラボで問うっていうことをやってきて、問う行為の裏にあったのは、学校の教育からの脱却があったなと感じています。学校で、僕は、問いの答えを自分に向けたことはなかったんですよね。先生の答えが正解、教科書に書いてあることが正しかった。問いを自分に向けてみることが新鮮でした。
問いていてすごく感じたのは、明確すぎることが多いなと。「あなたはどうしたいですか?」「あなたは何者ですか?」って問われたとき、そんな明確なことが話あるはずもなくて。「今日どこいく?」とか「天気良くていい気分だね」というどうでもいいことに目を向けてみるとか、生産性のないことを大事にしてみたいなと思いました。
かなう:ここまで、私から3人にお話を聞いてきましたが、それぞれのチームでの対話に移りたいと思います。ありがとうございました。
現在、JIBUN発旅するラボでは、長野県みらい基金さんでクラウドファンディングをしています。
資金ゼロで活動しているJラボですが、みなさまからのご支援でさらに充実したプログラムをつくることができます。
「自分の未来を自分で決める力」をぜひ一緒に応援していただけたら嬉しいです。
どうぞよろしくお願いいたします。