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疑問3 温暖化は人間のせいなのか?問題


今回参考にしたサイト、感想

●図 1850~1900年を基準とした世界平均気温の変化

IPCC AR6 WG1報告書 政策決定者向け要約(SPM)暫定訳(2022年12月22日版)[PDF 6.24MB]
掲載サイト 気象庁 IPCC第6次評価報告書(AR6)
上の、政策決定者向け要約、ってのがつまり、IPCCの第6次評価報告書の要点を抜粋したものの和訳になります。

今回は引用した図に加え、「人間の影響」の内容についてや、「CO2累積排出量と温暖化の関係」についても、この報告書を参考にしており、該当箇所は以下の通りです。
※人間の影響:7ページ
「観測された昇温は人間活動による排出により引き起こされており、温室効果ガスによる昇温はエーロゾルによる降温で部分的に軽減されている」
※CO2累積排出量と温暖化の関係:28ページ
「累積人為起源 CO2排出量とそれらが引き起こす地球温暖化との間にほぼ線形の関係があるという AR5 の知見を再確認する(確信度が高い)。累積 CO2排出量が 1000 GtCO2増加するごとに、世界平均気温が 0.27~0.63℃上昇する可能性が高く、最良推定値は 0.45℃と評価される」

なお、CO2累積排出量と温暖化の関係については、カーボンバジェット(炭素予算)=あとどれくらいCO2を排出していいか(どれくらいで排出をやめないといけないか)の話として改めて取り上げたいと思っています。

●シミュレーション(気候モデル)について

▶動画:国立環境研究所動画チャンネル 【20分でわかる!温暖化のホント】地球温暖化のリアル圧縮版①
IPCCレポートの執筆者でもある江守さんが温暖化について解説している動画シリーズで、今回参考にしました。シミュレーション(気候モデル)についてCGがあるとなんとなくイメージしやすいですね(純粋なイメージ画像ですけどね)。温暖化は人間のせいなのか?という点についても動画前半で説明されています。

講談社ブルーバックス「地球温暖化はなぜ起こるのか 気候モデルで探る 過去・現在・未来の地球」真鍋叔郎 アンソニー・J・ブロッコリー
すでに「疑問1」でも取り上げましたが、ノーベル賞を受賞した真鍋さんの著書で、真鍋さんが開拓してきた気候モデルについての解説がされています。正直難しくてよく分からない部分も多かったけど、例えば、温暖化懐疑論の根拠としてたまに言われる「南極が温暖化していない問題」についても、深い海に温度が伝わることまで組み込んだシミュレーションでは「南極で温暖化が大幅に遅延する」ことが再現できていたりと、シミュレーションをすることの意味、価値についてはひしひしと感じることができました。
あと真鍋さんがずっとこの世界をけん引してきて、どうやらすごいっぽいということも感じました。

ベレ出版「シミュレート・ジ・アース 未来を予測する地球科学」河宮未知生
サクッと読めて、アマゾンの評価4.5はやや高すぎる気もするけど、気候モデルについてざっと知るには良い本でした。ただ、発行年が2018年とやや古いので、前回取り上げたイベントアトリビューションなど年々事例が増えているようなテーマについては、すでに最新動向はまた違ってきてるんだろうなーと感じた次第。

●補足:温室効果の恩恵について

なお、今回描き切れませんでしたが、上で紹介した動画や文献でも述べられていますが、CO2をはじめとする温室効果ガスは、完全な悪者ということではなく、地球を快適な星にしてくれている超重要・大切な構成要素でもあります。
今回調べて再確認しましたが、温室効果ガスがないと、地球の地表面の平均温度はマイナス19度になっちゃうとのこと。いくらなんでも寒すぎます。ほどよい温室効果ガスがあってくれるから今の生態系が出来上がってきたのだなぁ。いかに今の地球の状況が絶妙なバランスで維持されてきたのか、改めて驚きました。
人間が石炭・石油を使うようになって久しいけど、自分たちの行為がこんなに地球のバランスを崩すなんて思ってもみなかったよなぁ。こんなことになっちゃうなんてなぁ。いやはや何とかしたいものです。

今回はここまでです!

次回について

さて、今回温暖化が人間のせいなのかを検討するにあたり、参考にしたのがIPCCのレポートですが、じゃぁこのIPCCって何者なんでしょうか。参考にしてよい、信じてよいものなのでしょうか?そもそもどんな組織?国の機関??ということで、正直よく分かっていないので、「IPCC、信じるに足るのか?」ということを調べていきたいと思います。

ではまた次回!

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