セミナー受講レポート「CAN-Japan主催 COP29報告会バクーからの最新報告」20241209
セミナー受講レポート
紙に向かう時間を全くつくれずマンガが遅々として進まない・・・。その中で、お子様を抱っこ紐で寝かせつつ、いくつかセミナー受講をしてみたので、その概要を自分なりにまとめてみることにしました。
さて今回は以下のセミナーについてです。
素人にて、理解不十分な部分もありますが、自分の備忘録兼ねてまとめてみます。詳細については資料が公開されていますので是非見てみてください。
受講セミナーの概要
「CAN-Japan主催 COP29報告会バクーからの最新報告」
2024年11月11日から約2週間にわたり、アゼルバイジャン共和国のバクーでCOP29(国連気候変動枠組条約第29回締約国会議)が行われました。この報告会では、COP29で話し合われたことや現地であった動き、会議の成果が日本に及ぼす影響などについて、現地参加したCAN-Japanのメンバーが報告・解説します。
2024年12月9日(月)15:00~17:00
詳細はこちら:https://www.can-japan.org/events-ja/4063
報告者
資金:山岸尚之さん(WWFジャパン)
パリ協定6条:小西雅子さん(WWFジャパン)
緩和:伊与田昌慶さん(国際環境NGO 350.org Japan)
適応:足立治郎さん(「環境・持続社会」研究センター(JACSES))
市民社会のアクション:長田大輝さん(FoE Japan)
COP29の結果を受け日本はどうすべきか:小池宏隆さん(グリーンピース・ジャパン)
受講セミナーの概要「資金COPだった」
①資金目標に合意
2035年までに公的資金と民間資金あわせて年間3000億ドルに合意した。 合意ができたことはひとまずよかったけど、必要な金額レベルには全然足りていない。(3000億円なら2030年までに。2035年までには3900億ドル必要の指摘あり)
途上国に対する気候資金の規模拡大を目指す「1.3兆ドルへのバクー・ベレン・ロードマップ」の開始が決定。
②6条ルール合意
パリ協定のうち、合意できずにいた「市場メカニズム」に関する項目が合意され、 パリ協定の全項目がやっと決定した。
炭素取引は、「本当に削減されたのか」の評価が難しく(認定後の再放出リスクやその監視方法など)、また一方で炭素が削減されても、他方で排出が相殺されてしまうなら全体での削減つながらないなど課題があるが、それを踏まえた詳細ルールが決められた。(一部、二国間クレジット(6条2項)には適用義務化でないようなので、そのあたりが市場でどう評価されていくか注視とのこと)
③緩和:対策の強化
今回非常に重要なテーマだったが十分に議論されることもなかった
ただ、イギリス、ブラジル、UAEから排出削減目標(NDC)の引き上げの発表があった。不十分な部分もあるが、意欲的な目標が発表されたことは評価できるとのこと。
④適応:目標の引き上げ
「適応に関する世界全体の目標」に関してはこれまでの流れを受け、進捗があった。(評価方法に関するルール作りなど)
今後も常設の議題項目として継続的に審議される。
適応については①で整理した通り資金支援の不足が課題。
⑤市民団体の動き
今回のCOPでは市民活動への締め付けが強かった。その中でも世界のアーティストや活動家が先進国に対し、資金提供や野心的な目標提示、公正性を求めてアクションをした。
ちなみに、日本は今回も化石賞・・・!化石燃料業界に対し大規模な資金援助が継続していることが授賞理由。
また、パレスチナへの連帯の表明も。軍事活動は気候対策を妨げるものでもある。
⑤日本のすべきこと
科学的に1.5度に整合した高いNDC(国としての削減目標)をきちんと掲げること。
ちなみに、日本に求められているのは2019年比で2030年66%削減、2035年78%削減とのこと。(土地利用を除く)(このあたり、正確な数字について、それぞれの条件の違いなどを理解不十分なのでちょっと違ったらすみません・・・)
これまでの経過を把握しきれていないため、理解しきれない部分もあったけど、概要はこのような感じだったと思います。
まとめ・感想
個人的にうらやましく思ったのは、イギリスには独立した科学機関があり、政府に提言を行う仕組みがあるということ。
日本のよく分からない中でダラダラと根拠不明な低い目標が決められていくのと比べると明確でいいなぁと思う。
日本のNDCの議論にしろ、エネルギー基本計画策定の状況にしろ、1.5度目標やカーボンバジェットについては全く考慮されていないもんなぁ。なんでこうなんだろう。なんでやりたくないんだろう。途方に暮れる。