甚兵衛さんを迎えた日の話
甚兵衛さんは2019年12月1日にウチにやってきました。
午後一番にワンニャピアあきたで手続きをし、3時前には家に到着。
移動中にクレート内で吐いていたので片付け、しばらく扉を開けたまま様子を見ましたが、クレートの奥で怯えて震え、固まったまま動きません。
初めての家に来て、知らないニンゲンが近くに居るだけでもストレスになっていると思い、クレートとケージの入り口をドッキングする形で配置し、ごはんと水をケージ内に置いて甚兵衛さんの居るリビングから2階に移動しました。
1時間ほど経った後
「……。カリ……カリ……。」
と、用心深くゴハンを食べている音が聞こえましたが、ぐっと我慢して覗かず、とにかく怖がらせないように静かに本を読んで過ごしました。
夕方になりカミさんが帰宅しましたが、やはり引きこもったままクレートからは出てこないので、ちょっと可愛そうでしたが抵抗する甚兵衛さんを引き出して、ケージに引っ越ししてもらいました。
引っ越しが終わると案外落ち着いた様子でしたが、ケージからは出てきません。晩酌したり風呂に入ったりと、ニンゲンのルーチーンをこなしましたが、やはりできるだけ驚かさないよう静かに過ごしました。
夜も早めにケージを閉め、上から布をかぶせて目隠しを作り、少しでも落ち着いて寝られるように早めに2リビングから引き上げました。
さて。翌朝、リビングに降りてケージを開けるとすぐに出てきたので
「少し慣れたのかな?」
と嬉しくなったのですが、不安げに歩き回り、クンクンと悲しげな声を出し、近づくと逃げ回り、とうとう我慢できずに床におしっこを漏らしてしまいました。おそらく昨日の朝、ワンニャピアでの散歩の後は一日おしっこを我慢していたのでしょう。
ということは大きい方も?
床の掃除はカミさんにお願いして、玄関に追い詰められて震える甚兵衛さんを抑え込み、リードをつけて早々に外に連れ出しました。
甚兵衛さんはビビリ倒してシッポを股に挟み込み、終始リードを引っ張って全力で逃げようとしていましたが、20mほど歩いたのち、道の真ん中でうんちのポーズ。怖くて漏らした感じではなく、我慢していたので場所を選んでいる余裕はないといった感じでした。
この日の朝さんぽはこのまま家の近くをくるりと一回り。10分ほどで切り上げました。家に近づくと抵抗が激しくなりましたがだっこで回収。玄関を閉めてリードを外すと一目散にケージに逃げ込みました。
ニンゲンも甚兵衛さんもいわば強制イベントでさんぽに出ることになったのですが、今思えばこれがよかったようです。
夕方のさんぽはちょっと草むらがあるコースで200mほど歩いて用もたしておしまい。しっぽは垂れたままでしたが、日々少しずつ距離を伸ばして、週末には2km弱、30分程のさんぽをこなせるようになりました。
朝晩の「さんぽ」の言葉と雰囲気はすぐに覚えて
「さんぽ行くよ!」
と声をかけるとケージから出て来てくれる様になりました。さんぽ以外は相変わらずほぼケージの中で引きこもっていましたが、気が向くとリビングの探検にも出られるようになりました。
二日目以降、ほんの少し慣れてきた甚兵衛さんは、手に載せたおやつを食べてくれたり、ケージの中でリラックスしている時は撫でても怖がらなくなったり、朝起きるとケージの中でしっぽをふって挨拶してくれたり……。甚兵衛さん的には
「小さな箱に閉じ込められて車に乗せられた時はもうダメだと思ったけど、来てみたら案外良いところなのかも?」
とい思い始めてくれたようでした。
ワンニャピアあきたとのトライアル契約は1ヶ月の予定でしたが、一週間経過を待たず、甚兵衛さんを正式に譲渡してもらうことに決め、市役所で畜犬登録を行い、甚兵衛さんはウチの正式メンバーになりました。
と、ここまでトライアル申込みから約一週間、一緒に暮らしてお互い少し距離が縮まったのですが、2週間のインドネシア出張に出かけることになり、暫しの別れとなりました。
といったところで今回はここまで。次はどこまで書けるかな?
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