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望遠鏡が見え隠れ|ベラ天・#5
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前回の記事では、加工した合板をベランダに取り付けて天文台の土台ともいえる部分を作りました。
天文台の屋根になる部分は、もはやお馴染みの漬物樽なのですがその蓋を合板に固定していきます。ここまでが前回の内容。
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ちょっとずつ、いびつな雰囲気になってきましたね。しかし、このように屋根がはまってくれたので万事OKです。隙間は最後にシリコンでコーキングする予定なので今は気にしません。
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さて、お気づきかと思いますが、このままだと望遠鏡が入りません。そう、この蓋に穴を空けてやります。電動ノコギリの刃を付け替えて……木材よりはサクサク切れました!
そして、望遠鏡を入れるとこんな感じ。なかなか様になってきたではないですか!
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蓋をかぶせて下から覗くと、こんな感じ。お~ぽいぽい。天文台ぽい。
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そっと耳を澄ませてみましょう。RedCat51 すなわち赤い猫ちゃんが鳴いています。
「狭いんだよ゛お゛お゛お゛お゛ぉぉぉ~~!」
口径51mm/F4.9のメイン鏡筒に、口径60mm/F4のガイド鏡。育ちすぎた子を背負いながら過ごすには少し手狭かもしれません。しかし、家主である僕はちゃんとサイズを計算していたはず。問題ないよ、と突き放すこともできたのですが、大家と言えば親も同然店子と言えば子も同然です。苦情を真摯に聞いてあげました。
「子午線越えの撮影とまでは言いません、せめて南中付近の天体はどうにか撮れないでしょうか……」
ふむふむ。曲りなりも天文台というのですから、それは当然です。試してみましょう。
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がーん。赤猫の敏感なヒゲではなくしっぽたるカメラがこの高さでぶつかってしまいます。鏡筒の配置が東西どちらであっても同じ。これでは高度30~40度以下の天体しか撮影できません。なぜそんな枷を……。これはあまりにも可哀想すぎます。天頂はベランダの庇ですから、そこまでは求めないにしても。
どうしようか。考えました。そもそも元凶はこの樽のサイズです。思ったより高さがなく、これ以上望遠鏡を持ち上げると頭が入りません。
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赤道儀の下に昇降式のピラーを付ける?仕方がないので望遠鏡だけは毎回取り外すようにする?と妥協しそうになりましたが、このベランダ天文台の目的は機材は据え付けたまま楽に撮影を行えるようにすることです。可動部は極力減らしたい……。
まず、もうどうしても動かせない条件は土台の合板です。この高さはもうこれで決まりです。ということは、必然的に望遠鏡を持ち上げるしかありません。こんな感じ。
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20cm程でしょうか。三脚をグイグイっと伸ばしてやると十分高い所も狙えるようになりました。多少子午線を越えても問題無さそうです。
こうなると、せっかくの樽ですが、上部に穴を空けて屋根を拡張するしかありません!
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はい、随分とはみ出てしまいました。この記事のタイトルに偽りなく、望遠鏡が見え隠れしています。逆にここさえカバーできれば、天文台はおおよそ出来たも同然です。新しい樽を買って結合する?棒で骨組みを作ってドーム型を形成する?でも、あまり重くしたくないな。防水性は担保しておかないといけないな。また考えることが増えました。
どのように解決したかは次回のお楽しみに!