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24.「根切り」とは? ~JIBANNOTE~
建物を支える基礎工事の第一歩が「根切り」です。
根切りとは、基礎や地下室をつくるために地面を掘削する作業のことを指します。
建物が地上に立つには、その下にしっかりとした基礎が必要ですが、その基礎を施工するために土を掘る工程が「根切り」と呼ばれるのです。
なぜ「根切り」と呼ぶのか?
「根」という言葉からもわかるように、木の根のように地中に埋まっている部分を掘り起こすことに由来しています。
建物を建てる際も、まるで木が根を張るように、しっかりと地中に基礎を据えるために地面を掘るのです。
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根切り工事の流れは以下です。
①水糸を基準にラインを引く
施工前に水糸を張り、それを指標に基礎の芯を決めます。
その後、石灰を撒いて地面に基礎ラインを描きます。
これは学校の校庭に石灰で線を引くのと同じ要領です。
②掘削作業の開始
いったん水糸を外し、石灰で引かれた線に沿って掘削を進めます。
主に「バックホー」という重機を使い、大きな部分を掘削し、細かい部分はスコップで丁寧に調整します。
③根切り底の整備
掘削した穴の底は「根切り底」と呼ばれます。
ここはベンチマーク(BM)を基準にして、設計通りの深さに均等にそろえることが重要です。
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深い根切りには「山留め」が必要です。
地下室をつくるなど、根切りの深さが大きくなる場合、土が崩れるリスクが高くなります。
そのため、崩壊を防ぐために「矢板(やいた)」と呼ばれる板を設置することがあります。
矢板は、先端をとがらせて地中に差し込む構造をしており、これを組み立てて「山留め(やまどめ)」を行います。
山留め工事を施すことで、掘削した周囲の土をしっかりと支え、作業中の安全を確保できるのです。
◆根切り:建物の基礎や地下室をつくるために地盤を掘る作業
◆矢板 :土が崩れないように留めるための板
◆山留め:矢板を使い、土の崩壊を防ぐ工事
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地盤の強度や施工の正確さが、建物の安全性に直結します。
根切りは、建物が地上に姿を現す前の重要な工程の一つなのです。
【Better World Words】
「勝って驕るな 負けて僻むな」
元大相撲力士(小結)、スポーツキャスター 舞の海秀平
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今日の「地盤の音」はどんな音色を奏でていますか?