僕とバンドマン
昨晩の身を切るような天気と打って変わった
春が顔を出し始めたある日の夕方に家を出た。
好きなバンドマンのTシャツを身に纏って
これはバンドの証で言わばユニフォームだ。
今にも飛んでゆきそうな軽やかな足を慎重に一歩ずつ運んでゆく
遠い昔の青い春を思い出す。
いつもふざけてよく笑い合った部活の仲間たち
しかしウィンドブレーカーの袖に腕を通した瞬間からはチームの代表で誰よりもルールを守りマナーを大切にしたあの時のこと
楽しみにしていたライブもあっという間に終わりを告げる。
聴きにきた人々は口を揃え
ギター入りがかっこよかった
ソロベースが熱すぎた
この曲のサビが胸に問いかけてくる
セトリの順番に泣かないわけないなんてと
という。
そんなの知らない
サビなんて
題名なんて
どれがギターの音でベースラインがどれだとかわからない。
わからないんだ。何度聴いても…
みんなの半分しか聴いてないからかもしれない
みんなより好きな気持ちが劣っているのかもしれない
そう思った。
それでも
見上げるとそこにある
モノクロの団幕も
ヘッドライトも
様々な光を見に纏とい輝いてる楽器も
真剣に弾く姿
楽しそうに弾く表情
仲間と息をぴったりな演奏
目が合ったかと勘違いして喜ぶ情けない僕。
そんな全部がたまらなく好きだ
イヤホンを耳にかけ流すのとは全然違う
直に
言葉、熱、音楽を浴びられるそんなLiveが大好きだ。
音楽で悩みの根本的解決はできないって君は言うけど
いつも寄り添った君の音楽が僕を救ってくれる
Liveのある日に向かって頑張り
Liveを楽しみ
また次のLiveのある日に向かって頑張る
そんな僕の日常。
そしてまた僕は次のLiveへ行く
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