「カブ主」になりました(その1)
高校生の頃、原付免許をとって初めて手に入れた単車がスーパーカブ50でした。その後、AR80、CB125T、Z250LTD、MVX250Fに乗り、最後はエンジンを焼き付かせたのをきっかけに単車に乗るのを止めました。それから30年近く単車とは縁のない生活を送っていましたが、やはり学生時代以来止めていた無線に復帰してから、次は単車だと漠然と思いながら某ネットオークションを眺めていました。
無線機もネットオークションを活用して手に入れたので、単車もなんとかなるだろうと思っていたのが大間違いで、輸送のことを考えるとどうしても自宅から取りにいける範囲で出品されているものに限定されてしまいます。なかなか手頃なのが見つからなかったのですが、ある日、スーパーカブ90が住んでいる市内から出品されているのを見つけました。ショップでも販売しているとのことなので、まずは現物を確認しようと連絡をとり、バスに乗って見に行ってきました。
スーパーカブは言うまでもなく本田のロングセラー商品なので、年式によって外観が結構違います。私が見たものは、自分の記憶にあるのと同じタイプでした。今思えばここで踏みとどまっておくべきだったのでしょう。要は私が高校生の頃の記憶と一致するわけなので、30年以上前の型となります。外観もあちこち錆びを修理した跡があり、タイヤの溝は相当減っていて、しかもゴムが硬化して割れているところも多数あります。ところが、店主に勧められてキックをかけてみると、調子よくエンジンが始動しました。少なくとも走行するだけなら問題はなさそうです。自宅まで無料で配送してくれるという話だったので、そのまま勢いで購入してしまいました。書類関係は全く問題なく、数日後にはナンバープレートがつき、自賠責保険にも加入できました。これで公道を走ることができます。ヘルメット等、必要な用品を買い、エンジンオイルを交換して、無謀にもツーリングに出かけました。
最初は神居古潭あたりを往復してくるつもりで出かけたのが、あっという間に着いてしまい、走った気にならないのでどんどん先に進んで、最終的には日本海側の港町、留萌まで行って帰ってきました。単車で走るということがこれほど楽しいものかと、長年忘れていた感覚が戻ってくるのを喜んでいました。しかし、これは試練の始まりでもあったのです。