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公務員のお仕事-2(市町村)
第2回は、「固定資産税」についてのお話です。
「固定資産税」と言えば、土地・建物(家屋やマンション)に対する税金です。毎年1月1日時点の所有者が対象となります。
これら土地・建物が「固定資産税」の対象になる事は皆さんご存知みたいですが、事業用資産が固定資産に含まれる事は、意外に知られていません。事業用資産とは、企業もしくは個人経営の会社が、その事業を行う為に使用している施設・機械・道具等を指します。償却資産とも呼ばれ、ある一定以上の金額で購入した場合は申告する必要があります。但し、一定金額未満であっても償却資産として、減価償却費を計上している場合は、申告する必要があります。
償却資産は、その種類によって耐用年数が決まっており、毎年減価償却費は減少して行きます。耐用年数を経過し、償却資産を廃棄した場合は0になりますが、耐用年数を経過しても事業用として使い続けると、購入金額の5%を申告しなければなりません。
この仕事は、判明している対象者へ申告書等の書類を送付し、期限迄に返送して貰うことから始まります。申告された書類をチェックし、
データを送り納付書を発送します。ここまでは、庁舎内のデスクで行います。
次に行うのが市内の税理士や会計事務所に出向いて、名企業や個人事業主の帳簿調査を行います。減価償却費の項目に数字が計上されていれば、償却資産の課税対象者となるので、情報を収集します。未申告者に対しては、申告書を発送。申告して貰います。
また、事業用資産が市町村に在っても他府県で会計処理を行なっている企業に関しては、出張して帳簿調査を行います。関東、関西地方に出かけ、数日間かけて調査して未申告分を見つけてました。この場合は、自分達の出張旅費以上に未申告分を摘発し、課税することが約束事になってました。
この減価償却費は必要経費に算入され、所得税の課税標準額から差し引かれるようになってます。国税でパスしても地方税で徴収するという仕組みになってます。日本の税体系は、驚くほどの仕組みになっており、国でダメなら県。
県でダメなら市町村と細かく設定されてます。
地方の税務署(国税局)にも出向いての調査もあります。もちろん、紳士協定があるから出来ることです。
これら税金の賦課義務には、徴税吏員である事が必須です。