IBF世界バンタム級タイトルマッチ E・ロドリゲス vs 西田凌祐
昨日、大阪エディオンアリーナで行われたIBFバンタム級世界戦は、事前予想ではE・ロドリゲスの圧倒的有利の見方が殆どだった。
しかし、西田選手がジャブを打ちながら前進。ロドリゲスも負けずに打ち合う展開に。
4ラウンドに試合が動く。両者接近戦の中から、西田選手のボディーブローが、ロドリゲス選手の溝内に突き刺さり、堪らずダウン。ここでラッシュに行きKOかと思われたが、このラウンドをロドリゲスは凌ぐ。
5ラウンド以降、今度はロドリゲス選手のノーモーションの右ストレートが当たり始める。
どうしても反応出来ない西田選手は、セコンドの指示で、本来の距離を取り空間を支配するボクシングからインファイトへ変更。
これで、ロドリゲス選手の右ストレートからのコンピネーションブローを封じ、両者ピッタリくっついてのボディー、アッパー、ショートフックの応酬となる。西田選手はパンチを上下に散らしながら、徹底してボディー攻め。ラウンドが進むにつれ、ロドリゲス選手のクリンチが多くなり、消耗の度合いが観て取れた。西田選手もロドリゲスの多彩なパンチを浴びるが、打たれ強く全く手数が落ちない。逆にボディーを中心に攻められ、接近戦が長くなり、自分の良さを消されたロドリゲス選手は、一杯一杯の状態に。
結局、12ラウンドフルに戦い3対0の判定で、西田選手がプロ9戦目でIBF世界バンタム級のタイトルを獲得。
これで、WBA、WBC、IBFと主要4団体の内、3団体を日本人が占める事になった。
明日、5月6日。WBO世界バンタム級王者ジェイソン・モロニー vs 武居由樹戦で、武居選手が勝つと、主要4団体を日本人が独占する日本ボクシング史上初の快挙となる。
しかしながら、西田選手がロドリゲスを大差判定で降すとは、予想だにしていなかった。
大変嬉しいアップセット(大番狂わせ)だ。モロニー、武居戦も実績で上回るモロニー有利の見方が強いが、武居選手に頑張って貰い、バンタム級史上初の4団体日本人王者独占の偉業を達成して貰いたいものだ。
前述のロドリゲス選手、武居選手と戦うモロニー選手は、2人とも井上尚弥選手に、バンタム級時代に敗れた選手。如何に井上選手が強いかを改めて思い知らされた試合でも有った。