公務員のお仕事-5(市町村)
さて最初の異動から1年半。異動により新人職員が入り、担当分野が代わりました。治療に必要な消耗品類と、医療に直結する購入担当者になりました。とにかく、幅も広ければ種類も多い。契約更新時期の1月から3月は、とても忙しく残業の日々でした。相手のある価格交渉も行うので、思うようには進みません。
扱う物品は、ディスポシリンジ(使い捨て注射器)からカテーテルや内視鏡、マスク、手袋等々治療に必要な消耗品全てです。総合病院となると、あらゆる診療科が有りますから、その科特有の物品も購入する必要に迫られます。
また、リネン、物品管理、清掃等は業者委託していたので、この人が関わる契約交渉も難しいものでした。業者委託は、あくまで病院の人件費を抑える為のもの。しかし、業者側も人を出してますから、少しでも高い価格で契約したがります。落とし所が難しかったです。
民間企業も病院も経費に占める割合が多いのは、人件費。働く人のモチベーションを落とさず、経費節減を行うのは本当に難しい事でした。
あらゆる物品の価格を決めるデッドラインは、3月20日位。決まった価格をデータ入力する為、残り10日間が必要となります。
ある年は、準備が遅れて価格決定がギリギリになり、データだけ先渡し。契約書類の事務作業が、ゴールデンウィーク前までかかり、院内決裁(稟議)が終わるのが5月初旬。本庁決裁が5月中旬過ぎになるという失態をやらかしました。(本庁決裁者が大学OBだった為、1時間以上デスク前に立たされ、説教くらいました。)
当時はまだワープロ時代で、しかも5人に対して1台しかなく、とにかく使用が集中する時期だった事も遅れた原因です。後は、モチベーションの低下。幾ら残業しても、どう頑張っても3月31日迄に、契約書類を全て揃える事が無理だと判った瞬間ガックリ来てしまい作業効率も落ちました。最低限、価格さえ決めておけば、次年度の病院運営はスムーズに行くと考えた時点で自分の負けでした。事務吏員としては、やってはいけない失敗です。当時は、かなり堪えました。ま、一応腹は括っていたのですが。
この分野は、2年で卒業となりました。また、
異動が有った為です。この頃になると、ベテラン勢が居なくなり、中堅クラスと新人で業務を回すようになってました。
そして自分は、医薬品と医療用機器分野の担当者となりました。予算規模で、22億円。(医薬品20億円、機器2億円)
しかも、病院に異動して4年目になっており、
院内の事も把握し、脂の乗った時期でした。
ここから、パソコンやネットを導入した仕事のやり方を確立して行きます。
to be continued.