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会津の日本遺産の「掴み」を変えてみよう

 来たる10月26日(土)、27日(日)に福島県会津若松市で「日本遺産フェスティバル in 極上の会津」が開催されます。全国の日本遺産の協議会のうち毎年一地域が主催者となり、ご当地の日本遺産のPRを大々的に行うほか、全国104の日本遺産のPRブースも出展され、賑やかな会場で日本遺産に触れられる催しです。

会津若松市の日本遺産は、
「会津の三十三観音めぐり 〜巡礼を通して観た往事の会津の文化〜」
です。
このコラムで何度か触れていますが、日本遺産の名称はおおむねテキスト数が多くてぱっと見よくわかりません。わからないなりにも内容を知ろうとするなら、それぞれの遺産にリストアップされる構成文化財を見に行くのですが、少ない遺産でも20件程度はあり、どれに注目すればよいかすぐにはわからないものです。会津の当該日本遺産も、地域が会津の17市町村にまたがり構成文化財は54件もあります。これではなかなか初見の人には掴みづらく、筆者ら番組制作陣にとっても、いかに「掴み所」を定めるかは悩みの種でした。
 そんな日本遺産特有の「わかりにくさ」はご当地で日本遺産を管理運営するみなさんも重々承知のようで、公式ページでの見せ方も年々、工夫が重ねられてきました。
 
 このたび日本遺産フェスティバルの開催地になるということで、久方ぶりに会津の日本遺産の公式ページを覗いてみたら魅力的な文句が見つかりました。
 次に貼るのは、そのページからの画像キャプチャです。

 このように言われると、ぐっと興味が湧きませんか?
 こんなウリ文句に最初に出会えれば俄然、興味が増幅した状態で入っていけるのに・・・と思ったりしますが、このコピーがなぜメインタイトルにならないかというと、このコピーでうたわれる物事はストーリーの「序」の部分にしかすぎず、実際にはそのあとに2段階の発展史があって全体を知ろうとすると、結構な読み解き作業が必要になるのです。
 しかし、当該ページでは歴史の順を追ってわかりやすくみてもらおうと、ストーリーを示すページに進むと
Story1 仏教文化の開花
Story2 会津三十三観音のはじまり
Story3 庶民の巡礼と娯楽
 と、ストーリーを三分割して見せようとしています。
 上に引用したコピーは、Story1 のページに進むと大きく表示されるものですが、ストーリーの重要な核になる要素ですから、PRの場においてはもっと前面にでてきてもよいコピーではないかと思いました。
 ちなみにStory 2のページStory 3のページでは、次のような見出しがでてきます

Story2 のページの見出し


Story 3 のページの見出し

 日本遺産に興味はあるけど、なかなか魅力の根幹に行き着かない、という方は、それぞれの遺産の公式ページにヒントになる見出しが隠れていたりするので、いきなりストーリー全文を読みに行かずに、興味の引かれるコピーをまず探してみたらいかがでしょうか?

 そして、26日から2日間、全国104の日本遺産のPRブースの出展がありますが、ブースのどこかにこんな魅力的なコピーが見つかるかも知れません。
もしそんなコピーが見つかったら、ブースの係りの方にこう問いかけたら、きっと丁寧に教えてくれると思いますよ。

「東北地方で最も仏教文化が華開いた、って、どういうことですか?」

 福島県にはもうひとつ日本遺産があります。
 そのタイトルは・・・
「未来を拓いた「一本の水路」 〜大久保利通“最期の夢”と開拓者の軌跡 郡山・猪苗代〜」
 タイトルの文字数は締めて39文字。さて、いったいどんな日本遺産でしょう?
 続きは、また明日。

日本遺産フェスティバル in 極上の会津 
詳しくはこちらです

フェスティバル開催中に、会津の日本遺産の紀行番組見られます。
詳しくはこちらで


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