「ねこ2」
秋口に入った少し肌寒い季節に私は近所を散歩していた。
そこへ白くて所々茶色と黒の斑がある痩せた猫がてくてくと私の前を歩いてきた。
普通に用事があったので私も歩を止めずに歩いていると、並走しながら民家の駐車場のような場所に着いたところでころーんとお腹を見せて寝てしまった。
その様子を見て、ああ飼い猫なんだろうなこの子はと思いながら、コロナ禍だしお腹触ったりしてもいいんだろうかと私は悩んでいた。
すると、猫は早く触りなさいという感じでお腹を捻ってきてアピールしている。
私は手のひらではなく、なんとなくだけど手の甲で触ってお腹を撫でてあげた。
猫は満足して去っていった。
また別の日のこと
近所の雑貨屋さんのマドンナ的存在の真っ黒な雌猫がいる。
いつもは店頭で日向ぼっこしているのだけれども、店主さんが放任主義のようで、黒猫は近所を自由に動き回っていた。
この猫は飼い猫なんだけども、なかなか人に懐かない。
普通に触れている人を見たことがない、人がよってくると逃げてしまう感じ。
私はたまたま会社で帰りが遅くなり、夜9時半くらいだったと思うけども道を歩いていた。
角の街頭の下に黒猫がいた。目が光っていたのでなんとなくいるのがわかった。
寒かったし、急いでいたのだけれども、なんとなく目があったので座ってみて一緒に時間を共有した。
黒猫ちゃんは触られるのが嫌なタイプだと思っていたから、ただ目を合わせてじーっとしばらく一緒にいた。
すると、もうそろそろ帰りますかと言わんばかりに雑貨屋の方にゆっくりと帰っていく。
私も同じ方面だったから一緒に並行して歩いて帰った。
なんでもない日常だったのだけれども、猫がいると
なんだか良い時間だった。