見出し画像

[LAA]プロスペクト情報⑦

こんにちは!
今回はプロスペクト情報シリーズの最終回とすべく25-30位のプロスペクト6人を一気に紹介しようと思います。複数か月にわたり行ってきたこの企画が終わりを迎え感慨深さを感じるとともに新たな企画を考えています。では、最終回である今回の記事もお楽しみください。例の通り、Pipelineによる球団別プロスペクトランキングと前回の記事を掲載しておきますのでそちらもご覧ください。


25.ルーク・マーフィー RHP AAA (23)

今シーズン中の昇格が期待されるマーフィー

今回のプロスペクトTOP30の中でも今シーズン中のメジャー昇格の可能性が最も高い選手のうちの一人であるマーフィー。昨シーズンのAA(トラッシュパンダズ)の鉄壁リリーフ陣を構成したうちの中心選手。超名門のヴァンダービルト大学出身で大学時代はクローザーを務め9セーブをマーク。99mphに達する直球は圧倒的な武器でまずまずの切れ味のスライダーも持つ。AAレベルではその直球が無双状態にあり、シーズン通算被打率.164、奪三振52個(44イニング)は極めて優秀で、特にシーズン終盤の8・9月は12イニングで被安打はたったの4本で1失点と抜群の成績を残した。加えて、プロ入り後に腕の角度を挙げたことで以前よりけがのリスクも減り(高校時代にTJを経験)安定したピッチングができるようになった。その一方でチェンジアップやカーブは勝負球として使えるレベルではなく44イニングで26個の四死球を与えたコントロールのアバウトさは課題として残っている。ETAは2023年と今シーズンが昇格時期の目安とされていて、ここまでのスプリングトレーニングの2登板もしっかり無失点に抑えているので、ある程度コマンド問題が解消されれば今シーズン中のメジャー昇格は十分考えられるだろう。


26.エリック・トーレス LHP AAA (23)

今シーズンも勢いを維持したいトーレス

マーフィーと並び今シーズン中のメジャー昇格が期待されるリリーフのトーレス。彼も昨シーズンのAA(トラッシュパンダズ)の鉄壁リリーフ陣を築いたメンバーで、MLB.comによるエンゼルスのマイナー組織2022年オールスター、AA(SOU)のポストシーズンオールスターにも選出されるなど大活躍を見せた。シーズンでは42登板で22セーブ、防御率1.59で被打率は.164と非の打ち所がないピッチングを見せ今シーズンの春季キャンプへの招待もつかんだ。51イニングで82イニングと抜群の奪三振力も誇り大事な場面でも使いたくなるピッチャーだ。上記の通りAAでは文句ひとつも言えないようなピッチングを見せたが、カテゴリーを上げた際に問題になるのが抜群の勝負球がないことだ。6'0"とあまり上背がなく速球はMAXで95mph程度とあまりスピードは出なく、本人の中では武器であるスライダーも平均より上という範囲にとどまる。今シーズンのスプリングトレーニングでも2登板ながら打ち込まれての失点をし、課題が残った。おそらく今シーズンはAAAからのスタートになるが、勝負球に磨きをかけて、メジャーでも通用するレベルに持っていきたい。


27.ライアン・コステイウ RHP AA (22)

コステイウの評価は上昇中

2021年のエンゼルスドラフト7巡目指名のライトハンドスターターのコステイウ。スローまでが早い無駄のないフォームから直球を多く繰り出すタイプでその中にチェンジアップと変化量の多いカーブを投げる。直球は92-95mphとまずまず速くスピンも多いためとても効果的で、80-83mphのチェンジアップも第二球種として十分な切れ味を持つ。78-81mphの緩いカーブは他2球種より被打率が高く甘く入ってしまいがちだが、変化量は多くプロ入り後に大きな向上を見せた。昨シーズンはA+で16登板をマークし、うち10登板は先発した。シーズン序盤の6登板ではリリーフとして18.2イニング2失点の超好投を見せ先発転向したが、転向後は好不調の波が激しく、5回無失点の試合もあれば6回6失点もあるパフォーマンスだった。それでもシーズン68.1イニングに対して奪三振81、与四死球19と内容的には良く、今シーズンはAAでロングリリーフに戻れば安定したパフォーマンスを期待できるのではないか。


28.ヤディエル・サンチェス RF A (21)

守備力に注目のサンチェス

昨シーズンのトレード・デッドラインデーにシンダーガードのトレードパッケージとしてフィリーズからモニアックとともにやってきた2019年のPHI12巡目ドラフティー。姿勢を低く据えバットを寝かせ気味にするフォームでバッターボックスに立つスイッチヒッターは幅広いゾーンの球に対応していく「合わせのバッティング」が身の上。あまり力があるタイプではないが一方で三振は少なくバットに当てる技術が高いためまずまずのアベレージ(2021: .278、2022: .259)を残す。また、彼の一番の強みは6'2"と恵まれた体格を生かした肩の強さで、昨シーズンPHIでライトを守った25試合で4アシストを記録しさらにその評価を高めた。フィールディングに関しても平均以上の能力を持ち、ここから分かるようにライトとして十分な総合的な守備力を兼ね備える。一方で前述の通りAクラスで非力でまずまずのアベレージ程度ではカテゴリーを上げた時に打力不足が大きな課題になりかねないため、今まで以上にアベレージにフォーカスしてリードオフマンタイプを目指すのがいいのではないか。


29.ヴィクター・メデロス RHP AA (21)

剛腕のメデロスは今シーズン飛躍できるか

2022年のエンゼルスのドラフト6巡目指名であるメデロスは典型的な剛腕ピッチャーの21歳。全身を使ったダイナミックなフォームから繰り出せれる直球、チェンジアップ、カーブはいずれも球の質が良い。特に全投球の大きな割合を占める直球は94-97mph程度を安定して出し、99mphにも達する圧倒的な武器で、エンゼルス入団後は94-97→96-99mphが安定して出せるようになったようだ。一方でハイスクールのころから大きな問題として抱えているのがコマンド問題で、大学1年生時代にはコマンド問題が原因でチームの先発ローテーションを外されブルペンで1年を終えることになったほど深刻だ。その後もなかなかコマンド問題を解決することができなかったものの剛腕にポテンシャルを感じたエンゼルスがドラフトで6巡目指名をしたのであり、現在でもコマンド問題は色濃く残っている。実際に昨シーズンA+で16イニングをこなして与四死球9と数字にも表れていて、これが大きく寄与したのか防御率5.63で早いイニングでの降板が目立ってしまった。球団がほれ込んだポテンシャルは間違いないだろうが、コマンド問題が劇的に改善されない限りスターターとしての地位を維持するのは厳しいと思われる。今シーズンはカテゴリーが上がったAAで開幕スタートで、そこでどのようなピッチングを見せるかが楽しみだ。


30.ニクソン・エンカーナシオン RHP ROK (18)

エンカーナシオンはまだ未知数

2022年のインターナショナル・サインデーでエンゼルスと契約したエンカーナシオンは今回の30人の中でも最も若い18歳で'04なので筆者よりも一歳若いヤングプロスペクト。90-92mph程度の無駄のないフォームから放たれる直球がメイン球種で95mphに達することもあり、第二球種としてスライダーとチェンジアップを持つ。三振を取る力が高く、昨シーズンのドミニカ・サマーリーグでは9先発(35.2イニング)で奪三振率10.85という圧倒的な数字を残した。一方でコマンドは「雑」という言葉が一番適切であり、前述のDSLでは35イニングで21個の四死球を与えた。スピードを出すことに主眼を置きすぎるが故だろうか、大きくゾーンを外れたピッチングをすることも少なくない。あくまでも18歳のまだまだ未発達なピッチャーであるため、ここからどう転ぶかが注目である。


最後までご覧いただきありがとうございました!!
プロスペクト情報シリーズは今回で終了となりますが、これから新たな企画を始動してまいりますので、どうか引き続きのご愛顧をよろしくお願いいたします!!


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?