髪切り躊躇ヒューマン〜モヒカンへの道程

髪が伸びた。気になるので床屋さんに行きたいが、私は安いところにしか行けないので、おのずと混んでいる可能性が高い。
平日の夜に行ってみたり、朝に行ってみたり、休日の夜に行ってみたりするが、2、3人以上待っていると諦めてしまう。

あの、一人終わるたびに椅子をズレていくあの感じが苦手なのだ。しかも空いているのだからもっと広く使って距離を取りたいのに、なぜかあの詰めて座らないと行けない感に屈して、皆肌寄せ合って座っている。

それが嫌で自分で髪を切ったこともある。知り合いの美容師が、長さ決めて切って、あとはすきバサミですけばそれっぽくなるよ、というのでそれなら私にもできそうだ、と思いやってみた。

みごとにモヒカンに仕上がってしまった。考えてもみて欲しい。私はただでさえ濃い顔だちをしているのに、それなりに風格のでた中年モヒカンなのだ。もはや絶望的サラリーマンだ。これでどうやって取引先に行けばよいのだ。
こんな男が行ったら、何にもしないのにただでお金やら燃料やら来年の種もみやら差し出されてしまう。
まさに北斗の拳の世界だ。

次の日、私はボウズ頭になった。

いいなと思ったら応援しよう!