笹の葉が風に震え
さらさらと小さな音を立てている
月は大きく 渓谷を煌々と照らす

目を開けばここは岩鼻か
見れば河を下る者あり
はて私に気づかぬか
はたまた気づいておるのか
私には知りようもない
ただ彼は流れ行く

私は虎 そう言われて幾星霜
自分のことは分からぬよ

私は一人 ここにおる
去来よ 私は中心か
それもまた 静かに流れる


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